この記事をまとめると
■24時間点灯している信号機はかなりの電気代がかかる



■その電気代は警察が負担



■電気代の高騰で負担額は1.5倍とも言われる



反則金が信号機の電気代に使われるという表現も間違いじゃない

昼夜休むことなく動き続ける信号機。交通安全の基本となるものだが、維持費は誰が払っているのだろうか?



直接的には所轄の警察署が信号機に関する電気代を払っている、というのが、その答えだ。もっとも、警察の予算というのは、そもそもは税金であることを考えると国民が負担しているという見方もできよう。

さらに言えば、交通違反に応じて払う罰金が信号機の電気代に使われているという都市伝説もあるが、それはあながち間違っているとはいえない。



為替や燃料代の影響で負担は1.5倍! かなり高額になる「信号...の画像はこちら >>



交通違反による反則金は、いったん国庫に納めることになるが、最終的には「交通安全対策特別交付金」として地方自治体に交付されることになる。この交付金は信号機の設置など交通安全につながるインフラ整備のみに使われることが定められているからだ。



ところで、道路インフラにおいては信号機と同様に、電気によって機能しているものとして「街灯」が思いつく。こちらについては、電気料金の負担についてはケースバイケース、いくつものパターンが存在している。



主要道路に設置されている街路灯については、その多くが地方自治体などによって管理されているもので、当然ながら電気料金も自治体もしくは国が払っている。



為替や燃料代の影響で負担は1.5倍! かなり高額になる「信号機」の電気代は警察が払っていた
都市部の街灯



一方、住宅街などの街灯は町内会によって管理され、電気代も町内会などが負担していることが多い。また、商店街の街灯については該当する組合などで管理していることがあり、その場合は商店街として電気代を負担している。そのほか、集合住宅の敷地内に設置されている街灯は、住民が支払う管理費などによって負担されているケースもある。



為替や燃料代の影響で負担は1.5倍! かなり高額になる「信号機」の電気代は警察が払っていた
商店街に設置された街灯



「街灯」とひとまとめにしてしまいがちだが、意外にも管理者は統一されていないのだった。



一例として神奈川県警が負担する信号関連の電気代は8億円

さて、誰もが実感しているように、為替や燃料費の影響で電気代は高騰している。当然ながら、信号機や街灯についてもその影響を受けてしまう。

信号機の電気代は1.5倍にもなってしまうという試算もあるようだ。



信号機の消費電力は仕様によっても異なるため、一機あたりの電気代を求めるのは難しいが、報道によると約9500カ所の信号機を管理している神奈川県警の信号機関連の電気料金負担は年間8億円にもなるという。単純計算すると1カ所あたり8万円強の電気代がかかっていることになる。



為替や燃料代の影響で負担は1.5倍! かなり高額になる「信号機」の電気代は警察が払っていた
神奈川県警本部



LED化すれば電気代は抑えられると考えてしまうが、神奈川県県警の予算を見ると、信号機のLED化などに伴う施設更新に関わる年間予算は約15億円となっている。施設を入れ替えた上で元を取るには、それなりに時間がかかりそうだ。



為替や燃料代の影響で負担は1.5倍! かなり高額になる「信号機」の電気代は警察が払っていた
LED式の信号



余談めくが、横断歩道などの道路標示のメンテナンスも警察の担当。交通量が多い道などでは横断歩道の表示が摩耗により消えかかってしまっていることもあるが、そうした場合は最寄りの警察署に相談するといい。



為替や燃料代の影響で負担は1.5倍! かなり高額になる「信号機」の電気代は警察が払っていた
かすれた横断歩道



こちらも同じく神奈川県警の年間予算を参照すると、各種標識や道路表示の補修にかかる経費として約18億円が計上されている。補修にもけっこうなお金がかかってしまうのであった。



これらすべて、もともとは国民の納める税金なわけだが、安全な交通環境に必須の道路インフラを維持・整備は警察の担当というのが基本となっている。

編集部おすすめ