この記事をまとめると
■アメリカのフリーウェイは原則無料で走行することができる



■フリーウェイには条件を満たしたクルマだけが走行できるカープールレーンが存在する



■渋滞をパスできるカープールレーンだが、最近は有料化するケースが目立っている



アメリカの高速には渋滞をパスできる特殊なエリアが存在する

ロサンゼルス周辺のフリーウェイを走っていると、もっとも内側の車線が“カープールレーン”となっている路線がある。このカープールレーンは、複数名乗車しているクルマや、1名乗車であってもBEV(バッテリー電気自動車)など、一部許可されたクルマなら走行できる車線となっており、渋滞していてもカープールレーンでスイスイ進むことができる。



「金持ち道路」と揶揄! 無料のハズのアメリカの高速に近ごろ有...の画像はこちら >>



フリーウェイの入口も1名乗車の普通車両と、カープールレーン許可車両を分けて進入できるように2車線用意されているところも多い。

入口には朝夕など混雑時だけ作動する信号が用意され、ドライバーのみの通常車両は信号が青になると本線に進入することができ、本線への流入量が調整されるのだが、複数名乗車車両は信号に従うことなく本線に進入することができる。



家族やグループでの移動はもちろんだが、カープールレーンの導入が始まったころは、渋滞緩和の意味もあり、ご近所同士で乗り合わせて通勤するといった利用も促されていたのを記憶している。カープールレーン走行に際しては特別な料金は発生しない。ところが最近はこのカープールレーンがなくなり、代わって内側車線が有料レーンとなる路線が増えている。



アメリカには「金持ち専用道路」と揶揄される場所がある

アメリカの高速道路はフリーウェイと呼ばれ、原則無料で走行することができる。



ニューヨークなどの東海岸や、フロリダなどではトンネルや橋を中心に有料となる道路がそもそも目立っていた。南カリフォルニアでも有料道路がなかったわけでもない。ただ、道路を走るのにお金を払うことに抵抗があるようで、有料区間を「金持ち優先道路」などと呼ぶ人もいた。料金決済は日本でのETCのような機械を通じて自動決済され、現金払いはできない。そのため、料金所や日本のようなゲートも存在しない。



「金持ち道路」と揶揄! 無料のハズのアメリカの高速に近ごろ有料区間が増えているワケ
アメリカのフリーウェイ



専用車載器を搭載しない状態で走行しても、後日専用ウエブサイトを通じて自車のプレートナンバー(ナンバープレート番号)を入力するなどして、5日以内に当該料金決済すれば問題ないとのこと。ただし、指定期日を過ぎても支払い決済を行わないと、反則金のようなもの上乗せされた通行料金の請求が届くとのことである。



料金は路線や区間などで異なり、電光表示で掲示されていたりもする。アメリカらしいともいえるが、有料化レーンはもっとも内側に用意されるので、フリーウェイから降りるとき(南カリフォルニアでは出口は筆者が見た限りでは進行方向右側にある)やジャンクションでの利便性を考え、専用の出口やジャンクション内の側道などが新設されている。



「金持ち道路」と揶揄! 無料のハズのアメリカの高速に近ごろ有料区間が増えているワケ
ロサンゼルスのフリーウェイ



ロサンゼルス地域では流入人口も多いほか、治安のよくない地域から逃れるためなどもあるのか、郊外の住宅開発がかなりの勢いで進んでおり、当然ロサンゼルス中心部へ向かうといったフリーウェイを中心に、車線の増設工事があちこちで進んでいるが、そのタイミングで有料走行レーンの設置も進んでいる。



ちなみに有料だからと言っても、走っているクルマが高級車ばかりということもなく、必要に迫られている人の利用もあるようだが、それでも金持ち道路と呼ばれてしまっている。



「金持ち道路」と揶揄! 無料のハズのアメリカの高速に近ごろ有料区間が増えているワケ
ロサンゼルスのフリーウェイ



フリーウェイのフリーは「無料」という意味ではないが、片側5車線とか日本では信じられないような路線もある高速道路が、日本とは異なり無料で使うことができるのを初めて体験したときは、いつになっても高速道路が無料にならない日本とアメリカの根本的な国力の差を痛感したのを覚えている。



そのようなフリーウェイで有料区間やレーンが目立ってきているのは、利用者サービスのひとつとして設置しているところで、日本とはまた違うなぁとも感じている。

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