この記事をまとめると
アルファードとヴェルファイアは兄弟車だがモデルチェンジで性格の異なるクルマとなった



■どちらのモデルがより顧客からの人気を得ているのか、販売台数で比べてみた



■7:3でアルファードのほうが売れているが、現在はどちらも受注を停止している販売会社が多い



豪華指向のアルファードとスポーティ指向のヴェルファイア

2023年6月に、アルファードとヴェルファイアがフルモデルチェンジを行った。両車は兄弟車同士だが、先代型は、発売時点ではヴェルファイアの売れ行きが多かった。それがマイナーチェンジでフロントマスクを変更すると、アルファードが逆転して上まわった。

その後、ヴェルファイアはバリエーションを減らし、新型はアルファードのみで登場すると思われていた。



しかし、ヴェルファイアには従来型で定着したスポーティなイメージがあり、以前はアルファードに比べて売れ行きが好調だったから保有台数も相応に多い。そのために、新型ではヴェルファイアも残されている。



先代の最後は圧倒的にアルファードが売れたが新型は? アル v...の画像はこちら >>



そしていまは、トヨタの全店が全車を扱うため、各店舗がアルファードとヴェルファイアを両方とも販売する。車種の性格をわける必要が生じており、アルファードは豪華指向、ヴェルファイアはスポーティ指向となった。



ヴェルファイアには、ボディやサスペンションの取り付け剛性を高めるフロントパフォーマンスブレースが装着され、足まわりの設定もアルファードとは異なっており、全グレードに19インチタイヤを標準装着する。装備も充実させ、売れ筋グレードは、アルファードではZだがヴェルファイアではZプレミアと呼ばれる。



先代の最後は圧倒的にアルファードが売れたが新型は? アル vs ヴェルの販売台数を比べてみた
トヨタ・ヴェルファイア(3代目)の「Zプレミア」の19インチタイヤ



価格も異なり、アルファードハイブリッドZは620万円だが、ヴェルファイアハイブリッドZプレミアは690万円とやや高い。これに伴って月販基準台数も、アルファードが全体の70%、ヴェルファイアは30%を想定している。



価格面でも優位に立つアルファードが7:3で人気を博す

そこで実際の売れ行きを見ると、2023年8~10月の1か月平均登録台数は、アルファードが約5200台、ヴェルファイアは約2200台であった。比率に換算すると、アルファードが70%、ヴェルファイアは30%だから計画通りに推移している。



先代の最後は圧倒的にアルファードが売れたが新型は? アル vs ヴェルの販売台数を比べてみた
トヨタ・アルファード(4代目)&ヴェルファイア(3代目)の複数台並び



この売れ行きについて販売店に尋ねると以下のように返答された。



「いまはひとつの店舗でアルファードとヴェルファイアを選べる。多くのお客様がフロントマスクの好みで決めている。そしてアルファードには、ハイブリッドと併せて(価格が540万円の)ノーマルエンジンも用意されるから選びやすい。ヴェルファイアにノーマルエンジンはなく、その代わりに(価格が655万円の)2.4リッターターボだから、動力性能と同様に価格も高い」。



アルファード、ヴェルファイアともに、将来的には購入しやすい価格のグレードを加えるが、発売時点では納期の遅延を避けるために上級グレードのみとしている。そのために、アルファードの価格帯は540~872万円、ヴェルファイアは655~892万円に達する。この価格の違いを考えても、アルファードが購入しやすい。



先代の最後は圧倒的にアルファードが売れたが新型は? アル vs ヴェルの販売台数を比べてみた
トヨタ・アルファード(4代目)の「Z」



ただしそれでもなお、注文が集中してアルファードとヴェルファイアの受注を停止した販売会社が多い。販売店では以下のように述べる。「2023年6月に受注を開始すると、短期間で納期が1年以上に延びて、販売会社の受注枠を使い切った。そこで受注を停止している。再開する時期は不明だ。

ただし(定額制カーリースの)KINTOは、別枠で注文を取っていていまでもオーダーできる」



先代の最後は圧倒的にアルファードが売れたが新型は? アル vs ヴェルの販売台数を比べてみた
トヨタ・アルファード(4代目)の走行写真



KINTOを使うと6~8カ月で納車されるが、カーリースだから契約期間が満了したら車両を返却せねばならない。所有権を手に入れる買い取りはできないため、ローンや現金による購入とは異なる。使用上の制約も多く、ペットの同乗などは禁止されている。買いたいなら、販売店で購入の意思を伝えて、受注を再開したら連絡をもらえるようにすると良いだろう。

編集部おすすめ