この記事をまとめると
■ボルボから初のミニバン「EM90」が登場した■最新装備を数多く搭載しているほか、外部給電機能を持つBEVとなっている
■現在中国では予約を受付中で日本への導入などは未定だ
これが話題のミニバン「EM90」だ!
北欧のプレミアムブランドとして日本でも人気が高いボルボ。最近ではラインアップするモデル全車を電動化しているほか、シートなどには再生素材を使うなどし、環境対策も積極的に進めている。
そんなボルボは9月末に、1台のクルマのティザー画像を公開。
いったいどんなクルマなのか、詳細をお伝えしよう。
まず、このEM90は「プレミアムMPV(Multi Purpose Vehicle)」という位置づけとなっており、ボルボはこれを「人とつながったり、考えごとをしたり、純粋にリラックスするための自宅のような空間」としてデザインしていると語る。「動くリビングルーム」という言い方がしっくりくるだろう。
さらに、象徴的なスカンジナビアンデザイン、96年にわたる安全性の歴史、究極の快適性、最先端技術など、ボルボが持つ技術のすべてを投入した最高レベルのプレミアムマシンとして仕上げている。

エクステリアでは、最近のボルボ車に採用されている象徴的なトールハンマーヘッドライトが目を惹く。また、同社初採用となるイルミネーションロゴを含む、イルミネーションフロントも特徴だ。これは、超高層ビルや最先端の没入型アートにインスピレーションを受けたといい、ハイテクで精巧さをアピールしている。

リヤまわりは、ライトアップされたワードマークとスタイリッシュなリヤライトデザインが、EM90らしさをアピール。ボルボを象徴する縦型テールランプは他車同様に採用しつつも進化させている。近代的な都市のスカイラインからインスピレーションを得ているという。

外装色は4色を用意する。足まわりには19インチまたは20インチのエアロホイールが装着される。
プレミアムと最先端の融合
EM90はEVとなっており、航続距離はCLTCテストサイクルで最大738kmとなる。116kWhのバッテリーを搭載しており、10%から80%までの充電時間は30分未満を想定している。モーターの出力200kWとしており、0-100km/hの加速は8.3秒というパフォーマンスだ。
フラッグシップSUVのEX90と同様、EM90にも双方向充電に必要なハードウェアがすべて装備されているのもトピックで、EM90のバッテリーを蓄電池として使用し、ほかのEVや電化製品を充電することも可能となっている。

ボルボのセーフ・スペース・テクノロジーも最新のものが搭載される。先進運転支援システムの幅広い機能構成は、高度なコンピューティング能力と、高解像度カメラ、サラウンドビューカメラ、ミリ波レーダー、超音波レーダーを備えた全方位センサーセットとなり、どんな場面でも安心してドライブをすることが可能だ。
ミニバンには欠かせない車内の遮音性にも優れており、ロードノイズ・キャンセレーション・テクノロジーをはじめとしたさまざまな機能や装備で、さらなる快適さを実現。デュアルチャンバーエアサスペンションと静音タイヤも、EM90の高い静粛性に寄与している。

また、リヤシートに座っているときには最先端技術を使用することもできる。

ルーフに設置された高解像度の15.6インチスクリーンは折り畳み式で、家族向けのエンターテインメントを楽しみたいときや、仕事のビデオ会議にカメラ付きで参加する必要があるときにも、いつでも展開して使用できるほか、モバイル画面投影やさまざまな外部アプリにも対応する機能性の高さも魅力だ。
なお、このモニターに連動してスクリーン、シート、窓、エアコン、照明はシーンに応じて調整が入るので、いつでも見やすい環境にクルマ側で調整してくれる。音響システムは、21個のBowers & Wilkinsのスピーカーを備える。

そのほかの装備はOTA(無線ソフトウェアアップデート)により、時間の経過とともに改良されるので、常に最新のクルマとして運用することもできる。
「ボルボEM90は、スマートなキャビン、急速充電、競争力のある航続距離、ボルボ独自のデザインによる表現、そして細部にわたる高いプレミアム性を備えた、最高に快適なEVです」と、CEOは述べている。
EM90はまず中国に導入される。現在、中国で予約注文が始まっているが、希少な海外製ミニバンということもあり、日本への導入も是非期待したい1台だ。