この記事をまとめると
■ジャパンモビリティショーではEVのコンセプトカーが数多く出展された■市販化に期待が持てそうなEVを5車種選定
■アウトドアや物流シーンがガラリと変わるかもしれない
今回のショーはEVが目白押し!
コロナ禍を経て、4年ぶりの開催となった東京モーターショー、いや、名称改め「ジャパンモビリティショー2023」の会場は、まさに「EV祭り!!」といった様相だった。しかも、あくまでスタディカーで、実現不可能と思えるコテコテのEVコンセプトカーだけでなく、「もしかすると近い将来、JMSでのコンセプトカーをベースにした市販車が出てくるかも?」と思わせる、期待膨らむEVコンセプトカーも存在した。2030年には電動車の新車ばかりになると予想されているだけに、それまであとたった7年、JMSのコンセプトカーが近々、現実のものになる可能性は捨てきれない、というわけだ。
その筆頭が、ホンダのブースにあった「サステナ・シー・コンセプト」だ。ヘッドライトや台形スタイル、赤のボディに黒のバンパーなど、1981年に発売され、大きな話題を呼んだ初代ホンダ・シティを思わせ、2輪の「ポケット・コンセプト」と同時に出展されているところも、初代シティ+モトコンポの組み合わせを思い出せば、シティの近未来版EVと思えて当然だろう。開発陣も初代シティをヒントにコンセプトカーとして仕上げたことは間違いないところ。
現代のホンダ・シティはコンパクトセダンタイプ(グレイスのような)がアジア市場で存在するが、日本ではホンダeに続くコンパクトEVモデルとして、水面下で開発が進んでいるとうれしい。EVのコンパクトカーと車載可能な2輪の組み合わせは、他メーカーではなかなかできないホンダならではの企画とも言えるのだ。
JMSでほぼ市販車のスペーシア・コンセプトとスイフト・コンセプトを発表したスズキには、スズキ得意の軽自動車のジャンルのEVが参考出品されていた。その名はeWX。スズキも2030年に向けてクルマの電動化を加速しているところだが、eWXはまさにスズキの軽自動車の代表格の1台となるワゴンRのEV版と見ていいかも知れない。

スタイリングはともあれ、いまでは日産サクラ、三菱eKクロスEVが独占状態の軽EVの土俵に、軽自動車メーカーでもあるスズキが参戦しないわけがなく、2030年までには間違いなく登場しそうな現時点でのコンセプトカーの1台と考えていいだろう。
アウトドアや物流シーンがガラッと変わるかも!
トヨタのEVでは、KAYOIBAKO(カヨイバコ)にも期待が持てる。ちなみに車名にもなっている”通箱”とは、物流専門用語でコンテナボックスを差している。
主としてコンパクトな商用EVミニバンとして開発され、コンセプトカーとして出展されてはいるものの、JMSではアウトドアや車中泊に対応するレジャーユースの提案もあり、そのカクカクしたカタチ、ワルな表情から、未来のbBと目されても不思議ではない。

そもそもフロントにbB+CONCEPTのライティングが燦然と輝いているぐらいなのだから、異例にも2000年の「東京オートサロン」でデビューし、カスタマイズ前提のトールワゴン、デートカーとして当時の若者を熱狂させた初代bBの続編としてのEVコンパクト登場の可能性に期待が膨らむ。
JMSに展示されていた、もっとより現実的なEVとしては、メルセデス・ベンツのEQGがある。セレブや芸能人に圧倒的人気を誇るメルセデス・ベンツの1台がオフロードモデルのGクラスだが、そのEV版がEQG。メルセデスベンツは2025年にEVシフトを予定しているため、登場はその時期……といっても2年後である。現在のGクラス以上に争奪戦必至のメルセデス・ベンツとなるはずだ。

トヨタ車体がJMSで提案したグローバルハイエースBEVコンセプトも、JMSの展示車はともかく、サイズ、パッケージ、ラゲッジルームの仕様など、かなり現実的。一般ユーザーが買うクルマではないものの、物流、仕事人の積載車として、こんなEVのハイエース見かける時代はそう遠くないだろう。

もちろん、キャンパーのベース車としても、EVが適切かはともかく、カスタマイズされる可能性もあるだろう。走る姿というより、EV1BOXがどう使えるか、どう楽しめるかに興味津々である。