この記事をまとめると
■2024年2月10~12日に大阪オートメッセ2024が開催された■モデリスタもブースを出展
■展示内容や車両について解説する
モデリスタは独自の世界観を表現
トヨタ車のカスタマイズパーツをリリースする「モデリスタ」のブースは、独自の世界観を表現するアーティスティックな雰囲気でした。
ブース全体の基本テーマは「洗練」と「上質」です。
あくまでも純正のデザインの方向性を尊重して、その意図の延長線上にある魅力を具現化するという製品作りの方向性を、ブースのイメージでも表しているとのこと。
たとえばそのイメージを表現するアイテムとして、造花ではなく、鮮やかな黄色い洋蘭の生花をブースの要所に配置しています。
モデリスタでは、ブランドのイメージを「Be MODELLISTA,Be You」というメッセージワードで表現しています。「MODELLISTA」とはイタリア語でデザイナーを意味する単語です。つまり、お客さんひとりひとりが、自身の生活や趣味の世界を自由にデザインして個性を発揮するのをお手伝いしたい、という想いが込められているとのこと。
たとえば今回展示している「アルファード」や「ヴェルファイア」でどこかに出掛ける場合、ノーマルの車両と、モデリスタのカスタムが施された車両では、おそらく気が向く行き先は異なるでしょう。
あるいはモデリスタのデザインが気に入って手に入れたという人にとっては、愛車で向かう旅の道中もより楽しさが増すかもしれません。
モデリスタでつくられるカスタマイズのパーツでは、もちろん格好いいスタイリングは大前提ではありますが、ユーザーの生活が楽しく豊かになるようなアイテムであれ、という気持ちを込めてデザインをおこなっているということでした。
そして、その想いと実際の製品デザインをつなぐコンセプトイメージとして、「五感に響く機能価値へのチャレンジ」と題して、目で見るだけではなく、聴覚、触覚などすべての感覚に響く深みのある製品を目指しているそうです。
そのイメージビジュアルが、カウンターの奥に飾られた「五感」をモチーフとした黄色いオブジェや、ブース内に投影されているビジュアル・ムービーなのです。

ブースのコンセプトも重要な見どころですが、やはり主役は展示車両でしょう。
モデリスタのブースには、要素を絞りに絞って、白い「アルファード」と黒い「ヴェルファイア」のみの展示という割り切った内容で驚かされます。
この、広く確保されたスペースにたった2台という贅沢な配置も、じつは今回の基本テーマである「上質と洗練」に沿った演出のひとつのようです。
アルファードのデザインコンセプトは「REGAL DIGNITY」。
「REGAL DIGNITY」というワードには、「個性際立つ堂々さ」「煌めくスタイル」という意味が込めてられています。アルファードがもともと持っている堂々とした雰囲気を際立たせて、エレガントな煌めきを加えてまとめられているとのこと。

それがもっとも明確に現れているのがグリルまわりでしょう。もとのアウトラインはそのままに、特徴的な立体感の強い格子のパターンを寄り強調する造形がおこなわれています。
最上段のトヨタマークの付くベルトラインは広い範囲でメッキ面をアピールして存在感を強調しています。

また、側面の見せ場であるウインドウの上下に走るラインには、メッキのモールが加えられて煌めきを強調。都会のネオンなどの光を妖しく反射させ、車体を彩ります。

リヤビューの印象を引き締める演出にも注目です。後面の左右下端の角では、ふくよかなボディ面との対比を際立たせるために、エッジを効かせた鋭いデザイン処理が施されています。
また、周囲のエアロと絶妙なマッチングを見せる四角いデュアル出し形状のマフラーもモデリスタのオリジナルです。

ヴェルファイアは「BEAST RAZOR」をコンセプトにカスタム
一方でヴェルファイアの方は、「BEAST RAZOR」というコンセプトワードに、野性的な猛々しさと、精悍なシャープさというイメージを意識したデザインになっているそうです。

こちらもフロントセクションの見せ場であるグリルまわりには、かなり力の入った手の込んだ造形が与えられています。遠目に見ると鍛え上げた腹筋のようなゴツゴツとしたフォルムに野性味を感じますが、近くに寄ると、彫りの深い造形で奥行きのある立体感を表現しているのが分かります。
ブルーのDRLが猛獣の牙のように見えて獰猛なイメージが際立っています。

ミラーの周辺に加えられたメッキのパーツ類もアクセントとして大いに効果を発揮しています。ミラーには細身のガーニッシュを装着。フェンダー上部に装着されたフェンダーガーニッシュとともに、前方から見たボディ側面に煌めき要素を加えています。

リヤセクションでは、上端に装着されたルーフスポイラーにブルーのイルミネーションがビルトインされ、フロントの“牙”とのセットで前後を彩ります。
そしてその逆側の下端には横方向いっぱいにメッキのモールが加えられて、車体のどっしり感を強調します。

アルファードとヴェルファイアの両車両ともに共通するイメージとして、ノーマルと比較すると明らかに存在感が強められているのに、全体の印象としてはしっかり馴染んで違和感を感じさせないまとまりを見せているという点です。

この仕上がりが、モデリスタの真骨頂と言っていいのかもしれません。
カウンターのなかでは、モデリスタのマスコット(まだ名前はありません)を携えたコンパニオン2人の姿もありました。

モデリスタのブースをひと通り見終わって出るときに、なんだか落ち着いた気持ちになったように感じたのは私だけでしょうか。