この記事をまとめると
■トラックには最大積載量が設定されている■過積載は道路交通法違反となる
■現実問題として過積載運行を避けられずにいる運送会社が多い
過積載運行を強いられている運送会社も存在
荷物を積んで走るトラックには、多種多様なものが存在する。サイズでいえば大きくわけると大型トラック、中型トラック、小型トラックという3つになるのだが、トラックにはそれぞれに最大積載量というものが設定されているのをご存じだろうか。
最大積載量は、トラックがいますぐにでも走れる状態での重さを指す車両重量と、トラックの車両重量+乗車が許される定員数によって算出される車両総重量によって決められる。大型トラックの場合は法律で車両総重量が通常20トン(最大25トン)と定められているため、その枠に収まるように最大積載量が設定されるのだ。つまり、車両重量+乗車定員×55kg+最大積載量が、最大で25トン未満になるように計算されているのである。ちなみに中型トラックは8トン未満、そして4~5トン程度であれば、一般的に小型トラックと分類されている。
トラックとは、エンジンやタイヤなどが装備されたシャシーと運転席が含まれるキャビン、そして荷物を積むためのボディという3つで構成されている。しかし、冷凍冷蔵装置を装備する冷凍車やボディの側面が開閉するウイング車などは、そのボディの重量がかさんでしまうため、最大積載量に響いてしまうのだ。
大型や小型トラックではあまり影響しないのだが、顕著なのは中型トラック。取りまわしのよさや維持費などの面から運送会社では重宝される存在なのだが、中型トラックの場合はとにかく目減りが激しい。4トン車と呼ばれる個体であっても、冷凍ウイングにもなると最大積載量が2トンを切ってしまうケースもザラにあるのだ。ひと箱10kgの荷物であれば、200ケースしか積めないのである。
それでは売り上げが立たないため、過積載運行を強いられている運送会社も多い。

その現状を打破するためには、もちろん適正運賃が支払われることが一番。しかし、運送会社が多く存在している現代では、荷主から直で仕事を受けることが至難の業。孫請けやひ孫の仕事になってしまうと運賃が目減りしてしまうため死活問題となるのだが、トラックを遊ばせるよりはマシだと食いつく運送会社も多い。そこに燃料費の高騰がのしかかり、さらには2024年問題などで窮地に立たされている運送会社も少なくないのだ。
昔は、稼げる仕事として知られていたトラックドライバーの世界。しかし、いつのころからか3Kと呼ばれる不人気な業種へと成り下がってしまった。しかし、彼らがいなければ日本の経済は成り立たない。