この記事をまとめると
■新車購入時に気分が高揚して余計なオプションパーツを選ぶユーザーが意外と多い■付けてみると不要な以上に邪魔な場合もありお金が無駄になってしまうケースも
■注文前に一旦落ち着く時間を作ることで無駄な出費を抑えられる
そのオプション、ちょっと待て!
新車を買う。人生において、そう何度も経験することのないイベントです。当然ながら大きなお金が動きます。
なので、ついつい契約時はテンションがあがり、その場のノリでオプションや装備を選んでしまい、あとになって「こんなはずじゃ……」と落ち込んだ経験がある人もいるはず。
そこで「選ぶ前に再考すべし! ノリで選ぶと失敗するかもしれない装備7選」をピックアップしてみました。
●インテリアイルミネーション
車内の足もとなどを照らしてくれるインテリアイルミネーション。ふんわりと点灯するダウンライトが高級感を演出してくれる装備です。高級車であれば標準装備となっている場合が多く、切り替えられる色の数も多かったりと、設定を切り替えるだけで簡単にドライバーの好みで車内の雰囲気を変えることができます。
「夜間でも足もとを明るく照らしてくれますよ!」のセールストークに乗せられてしまうと、ついフラフラッと買ってしまいそうになります。たしかに雰囲気はいいのですが、使ってみると「足もとが明るくて落ち着かない」という意見も。暗闇で実際に試してみてから決めても良さそうです。
●純正エアロ
売却時に加点とされることが多い純正のエアロパーツ。これだけで見た目も引き締まりますし、グッとスポーティになります。しかも純正品であればフィッティングも(ほぼ)完璧! しかし、純正フルエアロを組めばあっという間に数十万円コースの出費です。純正エアロに似合うホイールに交換したい! なんていいだしたら、あっという間に「ウン十万円」の出費です。
少しでも見た目をカッコよくしたい気もちは十分にわかりますが、売れ筋のクルマで純正エアロを装着しても、街なかに溢れている可能性も充分に考えられます。
●プロジェクションカーテシイルミ
旧車オーナーであれば「そもそもプロジェクションカーテシイルミって何だ?」となりそうです。夜間や暗闇でドアを開けたとき、メーカーやモデル名のロゴとともに足元を照らしてくれるスポットライトのような装備です。比較的安価で装着できるうえに視覚的効果も抜群で、ドアを開閉するたびにオーナーの所有欲を満たしてくれます。
国産車だけでなく、メルセデス・ベンツやBMW、ポルシェなどでも純正品として用意されている(ドア カーテシランプなど名称が異なります)点も驚きです。はじめのうちは楽しいけれど、目が慣れてくるにつれてちょっと子どもっぽいかなと思うようになり……あえてノーマルに戻したという事例もあります。
よくよく考えると使い道がない!?
●純正フロアマット
装着するクルマ専用に設計・開発された純正フロアマットだけに、色や形状、質感、そしてフィッティングも完璧です。さらに高級車の純正フロアマットともなれば、まるでカーペットのように毛足が長く、土足のままでよいのか躊躇ってしまうのは筆者が庶民だからでしょうか。しかし、フロアマットはあくまでも消耗品です。普通に使っていれば汚れるし、痛んできます。
なかには純正フロアマットが汚れるのは忍びないからという理由で、社外品のフロアマットを上に敷いているケースもあります。安くても数万円、高級車ともなれば、10万円以上の純正フロアマットもあるので、サードパーティー製のものを選ぶことでグッと出費を抑えられます。
●ベージュ内装
内外装の色の組み合わせでベージュ系の内装色を選ぶと、車内が明るくなり、より愛車をお洒落に見せてくれます。一見するといいことづくめのように映りますが、ベージュ系の内装はとにかく気を遣います。どれほど丁寧に使っていても、ブラック系の内容よりも汚れや劣化度合いが目立つからです。
お子さんを乗せる機会が多いファミリー層であれば、お子さんが飲みものをこぼしたり、お菓子でベタベタになった手のまま車内のあちこちを触って大変なことに(笑)。どうしてもベージュ系の内装にこだわるなら、社外品のシートカバーを装着して雰囲気だけでも楽しむという手もありそうです。フェイクレザー(PVC)素材であれば、さっと拭き取るだけで汚れが落とせます。
●純正ドライブレコーダー
ソニー損害保険株式会社が2024年8月30日に発表した「2024年 全国カーライフ実態調査」によると、「ドライブレコーダー」の搭載率は51.9%。「ドライブレコーダー」という名称自体が市民権を得ており、一般のユーザーにも浸透している印象を受けます。そうなると、ディーラーのセールスマンは、新車を購入する際に純正ドライブレコーダーの装着を勧めてきます。
たしかにメーカーのロゴが印刷されていたり、純正カーナビとの連動など、独自の機能も魅力的ではあります。しかし、基本的に市販のものよりもかなり割高です。性能とコストパフォーマンスを重視するのであれば、市販品のなかからハイスペックなモデルを選ぶという選択肢もありかと。
●サンルーフ
近年、標準装備を含めて、メーカーオプション設定も減りつつあるサンルーフ。天井が開く開放感と、チルト機能付きであれば雨の日でも車内換気ができる点も魅力です。ただ、オプションとして追加すると数十万円単位の出費となり、決して安価な装備とはいえません。また、付けてはみたものの、意外と使わなかったという声も。
全高の高いクルマであれば気にすることはありませんが、セダンなど、サンルーフを装置することで多少なりとも天井が低くなる(サンルーフを格納するスペースが必要になるので)場合もあります。本当に必要な装備か、そして欲しい装備なのかをいちど冷静になって見極める必要があるかもしれません。
●まとめ:迷う理由が値段なら買え、買う理由が値段ならやめておけ
日々、インターネットを使っていて「迷う理由が値段なら買え、買う理由が値段ならやめとけ」といった格言めいた言葉を目にしたことがあるかもしれません。新車でクルマを買うとき、最低でも100万円単位、高級車であれば1000万円単位の出費が伴います。そのうち感覚が麻痺してきて「数万円くらいならついでに付けておくか」とついついあれもこれもとオプションを付けてしまいがちです。
気もちが高揚しているその場のノリで深く考えずにあれこれとオプションを選んでしまい、あとになって「これはいらなかった……」となってもあとの祭り。1度オーダーした内容を変更するのはかなり困難です。
この「迷う理由が値段なら買え、買う理由が値段ならやめとけ」は、人によってさまざまな解釈ができるようですが、いずれにせよ、1度もち帰って「ひと晩落ち着いて考える猶予」がもしいところです。もしセールスマンにその場で即決を求められているとしたら、10分だけ猶予をもらい、思い切り冷や水をぶっかけてくれる人に相談してみるのも手です。