この記事をまとめると
■愛車を雨風や紫外線から守るボディカバーの使用には向き不向きがある■乗る頻度が少ない・こまめに洗車ができるなどの場合にはボディカバーは有効だ
■土ぼこりが舞いやすい環境下での使用やカバー傷が気になる方にはおすすめできない
ボディカバーを使っていいケースとダメなケースがある
愛車の理想的な保管環境といえば屋内保管、つまり屋根付きのガレージが挙げられます。あるいは、マンションの地下駐車場など、雨風や紫外線の影響が少ない場所も理想的です。しかし、現実にはこれらの保管環境を確保するのはなかなか難しいもの。
そこで……愛車を保護する残された選択肢に「ボディカバー」が挙げられます。初期投資を抑えつつ、雨風や紫外線を保護してくれるカー用品であり、純正オプションとして用意されているケースもあります。しかし、一見すると便利なボディカバーも、使うには向き不向きがあります。今回はその実例をまとめてみました。
ボディカバーが有効なケース
○乗る頻度が少なめ(週1~月2・3回程度)
ボディカバーを掛けたり外したりといった作業は面倒ですし、意外と時間も掛かります。愛車に乗るのは仕事が休みの週末や、月に2~3回、あるいは長期保管など、乗る頻度が少ない場合は有効なケースといえます。
○線路が近い屋外駐車
線路が近い駐車場だと、鉄粉が飛んできてボディに付着することがあります。その鉄粉が錆びてやがて塗装面を痛める可能性も……。別の駐車場に変更するのが難しい場合、乗る頻度を問わず、ボディカバーを掛けることで鉄粉の付着を抑える効果が期待できます。
○定期的に洗車できる
ボディカバーは、文字どおり「ボディを全体を覆うカバー」であり、下まわりは保護されていません。すき間から土埃が侵入することで、ボディ表面に付着してしまいます。ボディカバーを被せているから安心……ではなく、定期的な洗車(目安として半月に1度程度)は必須です。
○夏場に湿度管理ができる
ボディカバー初心者がうっかり陥りがちなミスがこれです。室内が密閉状態のままだと、とくに夏場は湿気がこもるためカビが生えやすいのです。ボディカバーを被せて駐車する際は窓を少し開けておき、さらに除湿剤を車内に置いて定期的な交換(1カ月も経たないうちに水がいっぱいになることもあるので)が必要です。

○防犯が気がかり
乗る頻度が少ないのであれば、防犯を兼ねてボディーカバーで覆うことも一定の効果が期待できます。事実、2重3重にボディカバーを被せて警戒度MAXにしている某スポーツカーオーナーが近所に実在します(湿気がこもりそうですが……)。オーナーの気迫そのままに、すさまじいまでの「触ったら承知しねぇぞ!」オーラが出まくっています。

ボディカバーがクルマを痛めてしまうこともある
ボディカバーが不要なケース
○乗る頻度が多め(通勤や通学など)
よほどマメな性格でもない限り、毎日の通勤や通学で使っている愛車にボディカバーを被せるのはおすすめしません。何より手間ですし、出先から戻ってきてクルマが熱を帯びている状態でカバーを被せたら、とくに夏場は熱気がこもってしまうからです。

○あまり洗車をしない
ボディカバーを被せたら洗車不要……ではありません。ボディカバーを被せていない素の状態と比べれば汚れにくくなるので、洗車の頻度は少なくて済みます。しかし、屋外保管である以上は汚れますし、劣化したボディカバーを使い続けると、カバーのすき間から雨水が浸入してボディを濡らしてしまいます。定期的なチェック&洗車は必要です。

○風が強い地域で土ぼこりが舞いやすい駐車環境
周囲に畑があると、空気が乾燥している冬場に強い風が吹くことですさまじい土埃が舞い上がります。
○「カバー傷」が気になる
風の影響でボディカバーとボディが接触している四隅や角などがこすれてしまい、うっすらと「カバー傷」がついてしまいます。筆者も経験がありますが、塗装や内装を紫外線や雨などから守る代償として、うっすらとついたカバー傷には目をつぶりました。

○ズボラな性格でいいかげん
ボディカバーを外したら、きれいにたたんでトランクなどにしまう必要があります。面倒なのでぐるぐる~と適当に巻き上げると、ボディカバーの表面に付着した汚れや埃などが内側に付着してしまうことも……。この「きれいにたたむ」という行為が面倒であれば、ボディカバーはやめておいたほうがいいかもしれません。
まとめ:ボディカバーは消耗品であると認識すべし
価格帯や使われている素材によって寿命は異なりますが、ボディカバーは消耗品です。汎用品であろうと、専用設計の高級品であろうと、いまこの瞬間も劣化しています。そして交換時期を迎えます。
所有していた愛車がひと昔前のクルマだったこともあり、カバー傷には目をつぶり、内装の保護を優先してカバーを掛け続けました。その結果、乗る頻度が減りましたし、クルマに乗る際にカバーの置き場所にも困りました。面倒なことも多々ありましたが、カバーを外したとき、ボディが汚れていない! というヨロコビは格別だったことを覚えています。

ボディカバーを用いることで得られるメリット・デメリットがそれぞれあります。「内装に紫外線を当てたくない」など、愛車に対して妥協したくないポイントを見極め、ボディカバーの必要性を見出してみてください。