この記事をまとめると
■大阪オートメッセ2025が開催中■今回は子どもが楽しめるエリア「こどもビリティ」が新設された
■ダイハツ、オートバックス、スバルの体験プログラムを紹介
ダイハツはクレイモデルを用意!
クルマには運転して走る楽しみはもちろんだが、実際には所有する楽しみ、そして触る楽しみもある。この本質を巧みに突いて、免許証を取るにはまだまだという、幼いキッズらが楽しめるプログラムを「こどもビリティ」で実践していたのが、ダイハツ。デザインセンターが率先して、「描く・色柄や素材を選ぶ・カタチづくる」というクルマのデザインの仕事を、子どもが気軽に体験できるワークショップにしたのだ。
いちばん年齢層が下の子どもたちには、ぬり絵コーナー。もう少し年齢層の高い小学校低学年ぐらいからは、デザイナーの線画に色をつけていく精密ぬり絵となって、その隣ではデザインセンターで実際に使われるクレイ粘土を用いて、ムーブ キャンバスやコペンなどの実在のモデルにカスタムしていく。みんな一緒に手でこねては、カタチにして楽しむ。この辺りはさすが粉モノの都・大阪……の面目躍如だが、いざ作業となると流石は子ども、ものすごい集中力だ。なかにはゾーンに入って、グリルやライトまわりを掘りながら、クレイモデルを支える左手の小指が立っている子もいた。

さらに高学年のキッズらは、実車スケールのキャンバス ムーブのクレイモデルに、本職のモデラ―の手の動きを手本にしながら、ライトまわりを削り出すという難題エクササイズがあった。最初は硬いクレイ粘土に戸惑って、表面をペタペタと叩くに過ぎなかった子もいる。だが繰り返している内にコツを掴んだのか、急に腰が入ったフォームになって、シャッシャッという軽快な音とともに、滑らかに表面を削れるようになった。やっぱり子どもの能力は侮れないものがあって、最初はダメダメに見えてもものの数分で、見違えるほど上手くなってしまうのだ。
楽しみながら成功体験を得られる
同じく成功体験を、クルマを通じて感じてもらえるプログラムが、「こどもばっくす」ことオートバックスのブースで行われているタイヤ交換体験。ガライヤの後輪側、鍛造アルミホイールのボルトを電動レンチで外す/留める作業を、プロメカニックと一緒に行うのだ。
まず作業に入る前からして一丁前。

合図とともに電動レンチがノイズを立てて、ボルトが外れると、明らかにキッズの目に驚きと喜びが表れてくる。「外れた」という手応えだ。もう一度ボルトを戻して、今度は逆回転に回して留める作業。タイヤが外れないことを確認して、体験は終了だ。

クルマに触れることを通じて、子どもが楽しみながら成功体験を得られるのは、各社のプログラムに通底するところだが、スバルの「ぶつからないミニカー」はさらに一歩踏み込んでいる。まずはミニカーにマジックで思い思いのカラーリングもしくは絵を描いたあと、ゼンマイの要領で走らせるのだが、ヘッドライトやリヤランプを光らせながら走るだけではない。こちらなんと、スバルの自社開発だそうで、内部に赤外線センサーが仕込まれていて、進路に障害物があると実車のアイサイト同様、ピタリと手前で止まるミニカーなのだ。

リアルに装備されているアイサイトはもちろん、カメラやミリ波レーダーなどを組み合わせたより高度なシステムだが、車外環境を赤外線経由とはいえセンシングして、ストップ&ゴーを制御する原理自体は、まったく同じ。
ブースの担当者は、こう語る。
「赤外線ですから、障害物の素材や色によっては時々、すっぽ抜けてぶつかることもあります。でも、ピタリとミニカーが止まるのを見ると、子どもも驚いてくれますけど、大人もかなり喜んでくれるんですよね」。

運転中の失敗、いわゆる追突事故パターンというか、ぶつからないことの恩恵をリアルに感じられるのはむしろ大人で、子どもはぶつからないクルマがカッコいいと思うようになるのかもしれない。ちなみにスバルは屋外会場で、実車でのアイサイト体験も催しているので、大人は失敗をやらかす前に、そちらにもぜひ足を運んでみるべし!