この記事をまとめると
■スズキ・フロンクスの納期はインドでの人気も影響して半年ほどかかるといわれる■インドの街なかをかなりの数のフロンクスが走っていた
■インドではホンダWR-V(現地名:エレベイト)などのコンパクトSUVの人気が高い
インドはフロンクス一色
2024年10月16日に日本国内で正式発売となったのが「スズキ・フロンクス」。インドから輸入し販売されている。自販連(日本自動車販売協会連合会)統計によると、2024年10月から12月までの累計販売台数は5267台となり、3カ月の平均月販台数は月間目標販売台数1000台を上まわる約1755台と、好調な販売が続いている。
人気が高いこともあり、1月上旬に販売現場で聞いたときには、納車まで半年ほどかかるとの話も聞いている。人気の高い海外生産モデルということなので仕方のないところもあるが、「インドでも人気が高いのでそれもあって納車に時間がかかるようだ」といった話も聞いた。
そして、そんな話を聞いた直後、インドの首都デリーへ行く機会があったので、実際にどうなのかを確認するため、できるだけデリーの街なかを歩いてみると……。
結論は、日本で話を聞いたときのイメージをはるかに超える数のフロンクスが街なかに溢れていた。
インドでのスズキ系販売ディーラーは、乗用車では「マルチ・スズキ・アリーナ」と「NEXA(ネクサ)」という2チャンネル体制をとっている。
そのうちネクサ店は上級車販売チャンネルに位置づけられ、ネクサではeビターラ、インビクト、ジムニー、グランド・ビターラ、XL7、イグニス、バレーノ、シアズ、そしてフロンクスが取り扱い車種となっている。

ちなみにインドではマイルドハイブリッド仕様ではなく、1リッターターボと1.2リッターNA(ガソリン/CNG[圧縮天然ガス])となり、4WDの設定はないものの、MTが用意されている。
デリーを訪れたばかりのころは行動範囲もまだまだ狭かったので、「思ったほど見かけないぞ」と感じていたのだが、ウーバー(ライドシェアサービス)により、行動範囲を広げると、途端にフロンクスを多く見かけるようになってきた。
あるとき、デリー近隣のグルガオンという場所へ向かったのだが、目的地周辺は田畑と工場や倉庫が点在するような場所であったが、そこでもかなりの数のフロンクスを見かけることができ、まさに「人気モデルなんだ」ということを実感した。
クーペSUVが人気傾向に
フロンクスより早い2024年3月に日本国内で正式発売されたコンパクト・クロスオーバーSUVとなる「ホンダWR-V」は、インドでは「エレベイト」という車名で販売されているのだが、見かけるホンダ車のほとんどがエレベイトと感じるほどの人気ぶりであった。

フロンクスはクーペSUVスタイルを採用し、上級車らしい質感の高さもあることから、デリー市内ではかなり目立つモデルとなっている。フロンクス並みに目立つモデルとしては、地元インド・タタモータースの「CURVV」というモデルも、流麗なクーペSUVスタイルを採用しており目立つ存在であったが、フロンクスが全長4メートル以内となっている一方で、CURVVは4メートルを超えているので、直接的なライバルとはいえないだろう。

インドでもサイズに関係なくSUVの人気が高いのだが、とくにコンパクトサイズのSUVの人気が高いように見えた。そのなか、クーペSUVスタイルはインドのひとのなかで感度の高い層が注目していると感じる。
日本での噂どおり、フロンクスは日本を上まわる勢いでインドでも人気が高いのは、街なかを見た印象では間違いないだろう。