走りはもちろん快適性を実感できるパーツもある!
クルマに使われている部品は、1台当たり3万点ともいわれている。全部が全部気に入っていれば純正のままが一番だろうが、なかには消耗するものもあるし、自分なりにカスタマイズしたいパーツもある。そうしたなかで、交換したときに効果が実感しやすいパーツをいくつかピックアップしてみよう。
1)シート
ドライバーとクルマとの最大の接点となるシートは乗り心地や居住性、疲労感に直結するだけでなく、クルマからのインフォメーションを伝えるという意味で、ハンドリングパーツのひとつともいえる。残念ながら、国産車ではまだまだシートにコストをかけているクルマは少ないので、レカロなどの一流品に交換すると、クルマの印象まで変わるほど効果が大きい。
出来のいいシートは、背もたれにもSバネではなくバックパネルが入っているので剛性が高く、ウレタンの密度も高いので、長距離を走っても疲れない。運転中にモゾモゾと座りなおしたくなるようなこともなく、運転に集中できて、腰痛や肩、首が凝ることもない。
2)タイヤ
タイヤは消耗品であると同時に、クルマの走りを左右する最重要のパーツ。劣化したパフォーマンスの低いタイヤから、新品のハイパフォーマンスタイヤに交換したときの違いは、ほとんどの人が気付くはず。

反対に純正タイヤがいいタイヤで、そのタイヤがすり減ったときに、値段だけを重視し、安っぽいクオリティの低いタイヤを買ってしまったりすると、その違いに愕然とし、「しまった」と後悔することになるだろう。
もちろん雨の日の安心感や、直進性、乗り心地、ノイズ、燃費、制動力、ステアリングインフォメーションといった要素は、全部タイヤ次第で変わってくる。タイヤを交換するときは、車種や目的に合ったタイヤで、純正タイヤ以上のクオリティのものを選ぶように気をつけよう。
3)ダンパー
あまり気にしている人は多くないかもしれないが、ダンパーも走行距離に応じて、徐々に劣化がすすむパーツ。4~5万kmも走れば内部のオイルが熱で劣化し、ダンピングが悪くなり、乗り心地がフワフワしたり、ロールやピッチングのスピードが速くなってきたり、高速時の接地性(とくにフロント)が悪くなったりしてきてしまう。

ダンパーの消耗は、毎日少しずつ進むので、普段からクルマに乗る機会が多いオーナーほど気づきにくいかもしれないが、5万kmぐらいで交換してやると、その違いに驚くはず。純正でビルシュタインのダンパーを装着しているような車種だと、新品への交換だけでなく、ダンパーをオーバーホールするという選択もできる。

何かしらのデメリットが出る場合もあるので交換は慎重に
4)ライト
ヘッドライトもかつてのハロゲンランプから、HID、そしてLEDへと進化してきているパーツなので、アップデートしてみる価値がある。とくにハロゲンライトは、HIDやLEDに比べるとかなり暗く、寿命が短いので、メリットはコストが安いぐらいしかない。

HIDは一番明るく寿命も長い。

好みがあるかもしれないが、ハロゲンのクルマだったら、明るいHIDやLEDに交換する価値はあるといえるし、当然その違いも分かりやすい。
5)ホーン
これもマイナーな部分ではあるが、純正のホーンは何とも頼りのない、気が抜けたような音がするクルマがいくつかある。ひと昔前ならともかく、今どきわざわざホーンを社外品でアップデートする人は少ないかもしれないが、交換すればすぐわかるパーツのひとつだ。

6)その他
オーディオ類も良し悪しがわかりやすいパーツだし、ブレーキパッドもいろいろ効き味に違いがある。マフラーやエアクリーナー、ECUやタービン(ブーストアップも)といった、パワーアップにつながるパーツは、効果もかなりわかりやすいが、これはどちらかというとチューニングの部分。

パーツを純正以外に交換すれば、いろいろメリットがあることも多いが、同時に何かが犠牲になることもあるので、一得一失。メリットとデメリットをよく検討してから交換する用心深さを忘れずに。その点、劣化した純正品を新品の純正品に変える場合は、心配は少ないが、アフターパーツほどは交換による違い、喜び(?)が味わえないという寂しさもある。