乾燥路を走ると金属チェーンが傷み切れるリスクも!
雪が降ったら出番となるタイヤチェーン。本格的な雪国では、スタッドレスタイヤの装着が当たり前だが、たまにしか雪が降らない地域や、たまにしか雪道を走らない人は、タイヤチェーンのお世話になるケースが多い。
タイヤチェーンを装着すれば、雪道、凍結路でもかなり安心して走ることができるが、乾燥路はかなり苦手……。
こうした場合、注意しなければならないのは、第一に速度。金属チェーンの場合、雪があってもなくても、走行速度はMAX30km/hぐらいまで。それ以上出せといっても、振動・騒音・乗り心地の問題で、とてもスピードアップする気にはなれないだろうが、乾いた路面を金属チェーンで走ると、チェーンが摩耗し、傷んでしまうので、切れたり緩んだりするリスクが高くなる。また、路面を損傷させることにもなるので、金属チェーンは路面に合わせて小まめに脱着するのが基本。
乾燥路を走るなら非金属チェーンがおすすめ
どうしてもチェーンを装着した乾燥路を走る場合は、30km/h以下で徐行し、ときどき緩みがないかチェック・増し締めすること(一部に増し締め不要の製品もある)。ただ、乾燥路を30km/h以下で走るのは、周囲のクルマにも迷惑なので、高速道路でも長いトンネルの中は基本的にタイヤチェーンを外して走行することになっている。雪のない道を、金属チェーンで走るのはNGだと思っておいた方がいい。
もし、乾燥路と雪道が混在しているルートを走るのなら、ゴムなどの非金属チェーンで走るのがおすすめ。ゴムや樹脂製の非金属チェーンなら、振動や騒音も小さく、許容スピードも50km/hが上限となる。増し締めも不要なタイプが多い。ただ、非金属チェーンも決して乾燥路が得意というわけではないので、速度はできるだけ控えめに。

非金属チェーンの耐久性は、日本自動車交通安全用品協会の認定品で、600kmが目安。このうち30%=180kmぐらいが、雪の少ない道を想定しているとされている。話題の布製チェーンも、制限速度は50㎞/h程度となっているが、これは非常脱出用みたいなものなので、乾燥路はもちろん、雪道も長距離を走るのは適さない。
またチェーンはトータルの走行距離、年数、メンテナンスで寿命が大きく変わるので、酷使されたチェーンで乾燥路を走るのは、切れたりするトラブルの原因になるので厳禁。なお、一見雪がないように見えても、外気が+3度以下になると、路面が凍結している可能性があるので、少しぐらい路面が乾いていても、早めにチェーンを外すのは危険。振動や騒音、チェーンの寿命を犠牲にしても、速度を落として路面の状態が本当によくなるまでは、(少しでも雪のあるラインを選んで!?)チェーンを装着したまま走るようにしよう。