外環道や圏央道が機能する今、あえてつなげるメリットは少ない
日本の首都、東京に張り巡らされた「首都高速」は、都内を移動するための自動車専用道路としてだけでなく、日本各地につながる高速道路のハブ的役割も担っている。東名高速は3号線に、中央道は4号線、東北道はS1線、常磐道は6号線、7号線は京葉道路などにつながっている。
しかし東京から見ると、長野・新潟方面に向かう高速道路「関越自動車道」だけは首都高速とダイレクトにつながっていない。

とはいえ、現実的には関越道と首都高をつなげるのは、選択肢としてはあり得ない。
都心の渋滞を軽減するために、首都高よりももっと大きな円形ハブである「圏央道」が建設されたのは、首都高を使うことなく東名・中央道・関越道・東北道・常磐道・東関東道を往来できることが目的だ。いまさら首都高と関越道をつなぐインセンティブはない。まして前述のように外環道を使うことを考えれば、実質的には首都高5号線と関越道はつながっていると考えることができるからだ。
練馬ICと5号線を結ぶ幻の計画は存在する
ただし、関越道と首都高をつなぐというアイディアが完全になくなっているわけではない。首都高のWEBサイトにあるFAQコーナーには次のようなQ&Aがある。
Q.関越道との接続の計画はありますか?
A.首都高と関越道の接続については、国が首都圏の道路等の整備に関する事項を定めた「首都圏整備計画(平成18年9月 国土交通省)」において、中央環状線と関越道を結ぶ「高速練馬線」として、調査を推進する路線に位置づけられていますが、都市計画等の諸手続がまだ行われていません。計画の具体化については、今後、国や東京都によって検討されていくものと考えています。
そう、これまた高速道路ファンには幻の計画として知られる『高速練馬線』は計画としてはいまでも存在しているのだ。

自動車道建設に必要な土地買収などを考えれば、それが無理筋な計画であることは明確で、Q&Aの回答にもあるようにほぼ手つかずの状態であり、事実上は凍結されていると考えるのが妥当だ。
もっとも、都市計画というのは、ものによっては50年~100年単位で考えられているものでもある。計画が存在している限り、絶対に実現しないとはいえないだろう。
<参考リンク>
首都高ドライバーズサイト FAQ ネットワーク
https://www.shutoko.jp/qa/network/