免許や交通取締りと車検で車両区分が異なり高速道路料金は後者

「あらためてビックリしました。軽って、高速道路料金がかなり安いんですね」。



少し前に「フィット」から「N-BOX」に乗り換えた人が、そんなことを言っていた。最近は、ETC(自動料金収集システム)の発達し、料金所で財布からお金を出す行為は減った。ETCゲートを通過する際、ETC音声ガイダンスで「料金は〇〇〇〇円です」と言われ、また料金所側の表示版でその料金を目視する。



「大きくなるほど高い」けれど「軽自動車とバイクが同じ」? 高...の画像はこちら >>



その料金がこれまでよりかなり安くなって「なるほど、高速道路料金はクルマの種類で違うのか!?」と認識することになる。この種類について、高速道路の管理会社では「車種区分」という言葉を使う。



一般財団法人・自動車検査登録情報協会によると、自動車の種類および区分方法は、道路運送車両法と道路交通法によるものが存在していると説明している。自動車の検査、登録、届出、強制保険には、道路車両運送法での区分方法を使う。一方で、運転免許、交通取締では道路交通法による分類を使う。



高速道路の管理会社では、車検証を基本とした車種区分としており、そのため道路車両運送法での車種区分となる。具体的には、軽自動車等、普通車、中型車、大型車、特大車に区分される。



「大きくなるほど高い」けれど「軽自動車とバイクが同じ」? 高速道路料金設定の謎



ここでちょっと気になるのは、「軽自動車等」に二輪自動車が含まれていることだ。その疑問については、中日本高速道路株式会社(NEXCO中日本)のホームページには、次のような記載がある。

その一部を紹介する。



「二輪自動車と軽自動車では、車両の大きさ・重量・乗車可能人員にある程度の違いはありますが、どちらも走行に1車線を必要とし、法定の最高速度は100km/hであるなど、(1)原因者負担の考え方、(2)占有者負担の考え方、(3)受益者負担の考え方を総合的に勘案する……」。



こうした考え方をもとに、二輪自動車は軽自動車と「同じ区分」とされているという。道路の空間をどれだけ使うのか、重量によって道路にどれだけの負担があるのか、といった想定だと考えられる。



こうした考えは、海外でも基本的には同じだと思う。海外事例で多いのは、大型トレーラーでは車軸の数で料金が違う場合もある。また、アメリカでは、1950年代以降に全国に拡張したフリーウェイ構想で、高速道路の建設や補修は各州政府の予算で賄われてきた。ただし、1990年代以降は各州の都市圏で5.8GHz周波数帯域を使う自動料金システムの設置が増えてきている。



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そのアメリカでは「カープールレーン」と呼ばれる、複数人乗車の場合の優先道路を、EVなど環境対応車ではひとり乗車で通行できる場合がある。



こうした海外での状況を鑑みると……。昨今、社会全体におけるカーボンニュートラル(CO2排出量の実質ゼロ)の議論が高まるなか、将来的にはEVや燃料電池車など普及促進の一環として、高速道路の料金における車両区分に「電動車」が加わる可能性も否定できないだろう。

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