メンテナンスなどユーザーの費用負担は非搭載車よりも大きい

以前からなにかと話題に上ることが多かった、アイドリングストップ。話題といっても、いい内容は少なくて、ネガなことが中心なだけに「微妙な装備」として語られ、その点は皆さんも感じているところではないだろうか。

しかも最近になって、トヨタが装備するのをやめると発表、一気に状況は動いた感もある。その理由も「ユーザーのことを考えると、ないほうがいい」というものだったりする。今回は今一度、メリットとデメリットを考えみよう。



まずはデメリットからで、これが確かにたくさんある。まずはバッテリーがアイドリングストップ車専用になるし、頻繁にエンジンを始動することになるのでスターターモーターも強化品になる。もちろんこれらは高くて、コスト増に。

バッテリーに関しては寿命がくればユーザー負担で交換しなければならず、最近は価格が安くなったとはいえ、一般のバッテリーよりは高い。



メリットよりもデメリットが目立つ! いま脱「アイドリングスト...の画像はこちら >>



クルマの機構的に問題なのが、専用バッテリーを使用する理由にもなっている、アイドリングストップ時は発電しないということ。そうなるとバッテリーに溜めた電気を使うのだが、それも限界があり、たとえばエアコン作動をどうするかはメーカーにとっても頭が痛い問題で、世界的に見ても対応がバラバラである。



そして、ユーザー的に不満が多いのは、やはり感覚だろう。再始動を滑らかかつ、すぐにしやすいようにピストン位置まで計算して止めたりするが、それでも多少の振動はある。かかるまでの時間もわずかとはいえ、信号が青になったときにすぐにスタートできないとったことも。



OFFスイッチは付いているので一旦解除はできるが、エンジンを完全に切って、再度スタートさせるとONに戻ってしまうのも、不満が出るポイントだ。



メリットよりもデメリットが目立つ! いま脱「アイドリングストップ」の流れが加速するワケ



不満などと言ってもどれも細かいもので、積み重なって、要らないんじゃないかという意見になっている気はするのだが、それらに対してメリットが上まわれば不要論も出ないハズ。そこでメリットを考えみると、燃費のためという1点のみと言っても過言ではない。



しかも厳密にいうと、燃費をさらによくするものではなく、エンジンを止めることで現状よりも悪くならないようにするだけのもの。止めることでドンドンと燃費が上がっていけば不満点もクリアできるかもしれないが、メリットとして弱いというのが正直なところ。



メリットよりもデメリットが目立つ! いま脱「アイドリングストップ」の流れが加速するワケ



そうなると、天秤にかけたりしていろいろと考慮しつつ、コストやユーザーの声も聞くとなると、装着するのをやめるかという結論になっても仕方がないかもしれない。