タイヤサイズが同じで溝が残っていれば保安基準上はOK!
BMWやレクサス、メルセデス・ベンツやアウディ、日産GT-R(R35)などに純正装着されているランフラットタイヤ。ランフラットタイヤは、パンクなどで空気圧がゼロになっても、80km/h以下で80kmほどの距離を走行することが可能というのが最大の特徴。
万が一のときにも、タイヤ交換などを行わず安全なところまで移動できるということで、高級車に採用するメーカーが増えてきているが、コストは普通のタイヤより割高で、空気が抜けてもタイヤが潰れてしまわないように、サイドウォールがかなり固い構造になっている。

そのためいま履いているランフラットタイヤが摩耗したら、次はノーマルタイヤにしたいと思っている人もいるだろう。
果たしてそれは許されるのだろうか?
じつをいうと、標準装着タイヤがランフラットタイヤのクルマが、ノーマルタイヤに履き替えたとしても基本的には問題ない。
タイヤサイズが同じで、溝がしっかり残っていれば、保安基準上はOKなので、車検もクリアするし、標準でついている空気圧センサーもそのまま使える。
普通タイヤからランフラットへの履き替えは難しい
ただし、パンク対策は考えておく必要がある。ランフラットタイヤが標準のクルマには、スペアタイヤは積まれていない。最近ではランフラットタイヤ以外のクルマでも、スペアタイヤがなくパンク修理キットで対応というクルマが珍しくないが、それらと同じようにパンク修理剤は常備するようにしておこう。JAFやロードサービス付きの自動車保険の加入も忘れずに。

もうひとつ、タイヤ選びにも注意。ノーマルタイヤに交換するのはかまわないが、ランフラットタイヤが標準のクルマは、高級車かハイパフォーマンスカーばかり。ノーマルタイヤに履き替えるにしても、安っぽいタイヤではクルマが泣くので、性能や車重、クルマの性格に合った高品質のノーマルタイヤを選ばないと、クルマの良さをスポイルすることになるので要注意。
そうしたハイパフォーマンスなノーマルタイヤに対し、ランフラットタイヤは3割前後値段が高いが、以前に比べればだいぶ価格差が狭まってきているので、どちらを選ぶかは一考の余地がある。

余談になるが、ランフラットタイヤ用のホイールは、エアが抜けても、ホイールからタイヤが簡単に外れない構造になっているので、普通のホイールにランフラットタイヤを履いても、パンク時の走行は保証できない。反対にランフラットタイヤ用のホイールにノーマルタイヤを装着するのはOKだ。