六連星「すばる」がもっともよく見えるのは1月
冬になり、大気の水分が少なくなると空気が澄んで天体観察がしやすくなる。SUBARUが古くから自社ブランドのマークとして使っている六連星は、冬の星座として知られる牡牛座の、肩のあたりに位置するプレアデス星団をイメージしたものだ。
今の株式会社SUBARUの「すばる」は、プレアデス星団の六連星「すばる」から命名されている。
前身の旧中島飛行機が戦後に改称した富士産業が解体され、再び合併して旧富士重工業になったことから、バラバラなものがひとつにまとまるという意味の「統べる」が語源であるプレアデス星団の六連星「すばる」を名乗った。1954年に登場した乗用車の試作車「P-1」からクルマの製品名として「すばる」が使われるようになっている。
プレアデス星団の六連星「昴」は慣れれば目視でも確認できるが、もっともよく見えるのは1月。SUBARU車のオーナーさんは、この年末年始は街明かりのない山奥までひっそりと愛車を走らせ、夜空を見上げてリアルな六連星を鑑賞してみてはいかがだろうか。
リアル六連星を鑑賞していると、視力の良い人なら、プレアデス星団には6個以上の星が集まっていることに気がつくかも知れない。プレアデス星団は実際には数十個の星の集まりであり、地球から人間の肉眼で確認できるだけでも7つ以上ある。
7人娘の名はSUBARUの製品名として使われている
それぞれの星はギリシア神話の王アトラスと女神プレイオネの7人の娘たちの名がついており、その7人娘のひとり「エレクトラ」は、彼女の息子の作った街が滅んだのを悲しんで彗星になってしまった話から、一般的に目視で見える星の数は6つということになった。

ちなみに「エレクトラ」の名は、初代WRXのSTIバージョンのアルミホイールの製品名や、2000年の東京オートサロンに出展された限定車S201のコンセプトモデルなどに使われている。
他にも「アルキオネ」は「アルシオーネ(アルキオネの英語読み)」、「マイア」は「レオーネ・マイヤ」、「メローぺ」はSUBARUブランドの天体望遠鏡「メローぺ80A」など、7人娘の名はSUBARUの製品名として使われているものが多い。

プレアデス星団の六連星「昴」は、北極星の南、誰もが見つけやすい冬の星座オリオン座の中心部分にある3つの星の延長線上にあるので、リアル六連星をまだ見たことがない人は、是非この冬の間に確認してみよう。
ちなみに「六連星」は「むつらぼし」と読むのが一般的だ。