タコメーターはクルマの性能を有効に引き出すためには欠かせない

運転中、車両の状態がどうなっているかをドライバーに知らせるためのインターフェースがメーターだ。装備するメーターは、車両のタイプによって違いはあるが、重要度の高い情報はすぐに確認できるよう、視認性に優れた位置や大きさで設定されている。



こうした意味では、市販車でもっとも重要度の高いメーターが速度計だろう。

どのクルマもドライバーの正面に見やすくレイアウトされているのが一般的だ。(ダッシュボードセンターにレイアウトされる例外もあるが)



これ以外のメーター、水温、燃料、油温、油圧、電流、電圧、過給圧(過給機付きエンジンのみ)などは正常に機能している状態では一定値を示し、頻繁に確認する必要がないことから、小型なものとなり、レイアウト位置もドライバーの正面からは外れたところになる。



ところが、スピードメーターと同等の扱いを受けているのが、エンジン回転数を示すタコメーターだ。アナログ式の場合は、ドライバーの正面にスピードメーターと同じ大きさにして、ふたつ並べて配置される例がほとんどである。



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エンジン回転はそれほど重要な情報なのか、ということだが、もともとはレーシングカーが発祥となるメーターで、トルクバンドを有効に使ったり回転上限(エンジン損壊防止)を知るために設けられたものだった。そこから転じ、いまやスポーツタイプの車両には必須の装備となり、マニュアルミッション車のシフト操作と組み合わせ、クルマの性能を有効に引き出し走らせるためには欠かせないメーターとなっている。



「赤いエリア」まで針が行くと壊れる? クルマのタコメーターの「レッドゾーン」の意味とは



ところで、このタコメーターだが、回転上限の領域は赤色でゾーン分けされ、この領域まで使ってはいけない、というメーカーの指示(警告)がされている。いわゆる過回転(オーバーレブ)によるエンジンの損壊を防ぐためだが、どんな意味を持っているのだろうか。



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市販車の場合だと簡単にエンジンが壊れてしまうことは少ない

結論からいってしまうと、エンジンは過回転させると動弁系、とくにバルブまわりを壊してしまうことが多いため、それを抑制する意味がある。ただし、過回転のさせ方によってエンジンが受けるストレスは違ってくる。アクセルを踏み込んでいった場合より、シフトダウンを失敗、過回転させたときの方がストレスが大きく、圧倒的に壊れやすい。



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といっても、市販車の場合、なにかのはずみでレッドゾーンまで回してしまった場合、簡単に壊れるようでは商品の信頼性として問題があり都合が悪い。

このため間違ってレッドゾーンまで回しても、その回転域で連続運転をしない限りエンジンが壊れることはない。



しかし、極限まで性能を引き出して走るレーシングエンジンの場合は、少し意味が違ってくる。危険回転領域(ゾーン)を示すのではなく、ピンポイントで回転上限(ほとんどの場合ピークパワー発生回転の直後)を示すレブリミットとして使われている。



市販車と異なり、ギリギリまで回転上限を引き上げることで最大限の性能を引き出しているため、安全マージン(許容回転域)が考慮されていないのだ。いいかえれば、回転上限までエンジンを回せば最大のパワーが得られる代わりに、その回転数を超すと簡単に壊れてしまうということである。



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なお、量産車ではレッドゾーン寸前まで回転を引っ張ってもパワー(トルク感)は頭打ちとなることがほとんどで、決して速い走らせ方ではない。AT車(マニュアルモード)ではむずかしいが、MT車の場合、レッドゾーン寸前までエンジンを回してみればすぐにわかることだ。ただ回転だけが上がっているだけで、パワー感(加速感)が鈍っていることに気付くだろう。



自分のクルマの最大トルクが何回転で発生し、そこから回転を上げていったとき何回転(当然レッドゾーン手前の領域)でパワー感が鈍ってくるか。有効なパワーゾーンを知っておくと、スポーツドライビングが楽しくなる。これがタコメーターの本来的な使い方だ。

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