信号機に雪が積もりにくくするために縦型を採用しているところも
自動車用の信号なんて、物心ついたときから、左から青色・黄色・赤色と横並びの横型レイアウト。なんの疑問もなくそう認識してきた人も多いのではないだろうか? (信号機の配列は道路交通法施行令第3条に定められていて、安全のうえでもっとも重要な赤色をもっとも視認性の良い位置に配置されている)
ところが、同じ日本国内でも、上から赤色・黄色・青色の順に縦に並んだ縦型信号が多く設置されている地域がある。
それは雪が多く降る地方。

信号機にはレンズの部分を覆うようにカバー(庇)がついているが、このカバーに雪が積もって、信号の視認性が低下する恐れがあるので、信号機に雪が積もりにくい縦型の信号を設置しているところが少なくない。
雪は視認性に影響するだけでなく、積もった雪の重さで、信号機が壊れたり、支柱が曲がったりする可能性もあるので、前投影面積ならぬ上面の面積を減らすこともけっこう重要。
ほかにも、狭隘(きょうあい)道路=狭くてスペースに余裕がない道にも、縦型の信号機が設置される場合があるが、横型の信号機のほうが、街路樹や建物の影響を受けにくく、視認性を確保しやすいため、国内では自動車用の信号機は横型が主流になっている。

余談だが、最近普及してきたLEDの信号機は、旧来の電球タイプの信号機に比べ、発熱量が少なく、付着した雪が溶けないという問題もある。
そのため、雪国では警察や委託業者が、信号機の除雪作業を定期的におこなっている地域もある。信号機ひとつ取っても、雪国には非降雪地帯とは違う苦労と工夫が必要なのだ。