もともとオルガン式は高級車や本格スポーツカーに採用されていた

普段何の気なしに踏み込んでいるアクセルペダル。しかし、このアクセルペダルにも種類があるのをご存知だろうか? それは「吊り下げ式」と「オルガン式」である。



吊り下げ式とは、その名の通りペダル上部を支点としてその下に吊り下げるようにしてアクセルペダルが備わっているもの。

そしてオルガン式とは、鍵盤楽器のオルガンの足踏み式のように、地面側を支点としたペダルのことを指している。



もともとオルガン式ペダルは高級車や一部の本格スポーツカーに採用されており、吊り下げ式は実用車や大衆車に多く採用されていた。



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当時のアクセルペダルはワイヤーによってエンジンルームのスロットルに繋がっており、ペダルを踏み込むことで物理的にワイヤーを引っ張り、スロットルを開閉していた。そのため、吊り下げ式ペダルであれば、簡素な仕組みで動作させることができたのだが、オルガン式にすると吊り下げ式とは比べ物にならないくらいコストがかかってしまったのだ。



そのため、コストメリットの高い吊り下げ式が大衆車に、コストのかかるオルガン式が高級車に採用されていたというわけである。



ではなぜ、わざわざコストのかかるオルガン式を高級車は採用していたのかというと、それは操作性の高さが挙げられる。



エントリーモデルにオルガン式を採用するメーカーも

ペダルの下側が支点となって動くオルガン式ペダルは当然ながら足がペダルを踏み込む動きとリンクしてペダルが沈み込んでいく。そのため、微妙な操作がしやすいという利点があったのだ。



本格的なレーシングマシンがオルガン式の3ペダルを採用していることが多いのも、レースという環境のなかで繊細かつ正確なペダル操作ができるからというわけである。



ただ、現代のクルマではアクセルペダルとスロットルがワイヤーで繋がれているものはほとんどなく、ほぼすべてのクルマが電子スロットルとなっている。これはアクセルペダルの開度を電気信号に変えてスロットルに伝え、必要な分だけスロットルが開かれるというもの。



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つまり、オルガン式のデメリットであったコスト増の影響を受けにくくなったと言えるのだ。

それだけにマツダではエントリーモデルであるMAZDA2でもオルガン式ペダルを採用するなど、こだわっているメーカーも登場してきた。



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とはいえ、吊り下げ式ペダルとはペダルの描く軌跡が異なるため、慣れるまでは逆に運転しにくいと感じるユーザーも少なからずいるため、どちらを採用するのかはメーカーの裁量に委ねられているのが現状である。