環境意識の高まりとともに排ガス規制が厳しくなった
ミッドシップとなる専用のプラットフォームを使い、軽自動車ながら動力性能以外はスポーツカーとして見ても本物感にあふれていたホンダS660の来年3月での生産終了が発表され、それから1カ月も経たないうちに受注が生産可能台数に達し、新車の入手が絶望的になっているのは記憶に新しい。
S660が生産終了となったのは、強化される側面衝突や騒音規制、自動ブレーキの義務化といった法規制に対応ができないためだったが(対応が不可能ではないにせよ、対応するには大きな開発費が掛かり、開発費がペイできないと判断されたのだろう)、過去にもスポーツモデルを中心に法対応により生産終了となったモデルもある。いくつか挙げていこう。
1)トヨタ80スープラ、日産R34スカイラインGT-R、日産S15シルビア、マツダFD型RX-7
現在超高値安定となっているこの4台は2002年に当時の排ガス規制がクリアできないことを主に理由で生産終了となった。また4台が生産終了となった理由には80スープラとFD型RX-7は登場から約10年が経過していたことや、R34型スカイラインGT-Rは母体となるスカイラインが前年にまったく違うクルマになったためというのもあったのかもしれない。
それでもロータリーエンジンは翌2003年登場のRX-8でNA化により継続され、スープラは2019年に復活、スカイラインGT-RもGT-Rになって車名が続いているのは大きな救いだ。
2)ホンダNSX(初代モデル)
1990年に登場した初代NSXは当時のフェラーリ328やポルシェ911をターゲットにしながら、「運転しやすいスポーツカーであること」など、今までにはなかったスポーツカーの姿を提案したモデルだった。
初代NSXは大規模なものを含むマイナーチェンジを繰り返しながら長年生産されたが、2006年から欧米で始まった新しい排ガス規制が主に開発費との折り合いで対応できず、2005年に惜しまれながら絶版となった。NSXは現行モデルの登場まで11年の空白期間があったが、初代NSXが15年も販売できたというのは基本設計の確かさの象徴と考えるべきだろう。
環境性能だけでなく安全性能も高い水準が求められている
3)マツダRX-8
NAのロータリーエンジンを搭載したRX-8は4人がちゃんと乗れる室内空間を確保しながら、ロータリーエンジンの気持ちよさやシャープながら安心感あるハンドリングを楽しめるなど、4ドアのスポーツカーという言葉がぴったりなモデルだった。
しかしRX-8もロータリーエンジンの燃費の悪さや欧州の排ガス規制がクリアできないなど、法規が厳しくなるいっぽうの環境性能に対応できず、2012年に生産を終了した。
RX-8は生産終了にあたりファイナルエディションとなるスピリットRを1000台限定で設定したが、反響の大きさに対応し、さらに1000台が追加生産された。
4)ホンダ・アクティ
アクティはエンジンをミッドに搭載するなど、軽トラックのなかではスバル自社製時代のサンバーと並ぶユニークなモデルだった。
しかしアクティはここ数年販売が低迷していたところにS660同様に自動ブレーキの義務化などへの対応も必要だったのだが、開発費と見込める販売台数の折り合いが付かず、最近絶版となった。アクティが通常の軽トラックとして復活するのは絶望的かもしれないが、EV化などでの復活を望みたいところだ。

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