この記事をまとめると
■いまや先進運転支援システムの搭載は新車に必須となった■その機能にはアルファベット3文字のものが多く混乱しやすい
■そこでこの記事では、ACC、AEB、BSM、LKAの意味について解説する
ADASの性能は車種選択の際の重要なポイント
いまや新車購入時には先進運転支援システム(アドバンスド・ドライビング・アシスト・システムを略してADASとも呼ばれる)は重要な検討項目となっている。同じような機能であっても、メーカーや車種によって“できること”が違っていたりするから比較するのが難しい。
また、文字で記すと同じ機能であっても実際に利用すると仕上がりの自然さで大きく差を感じることも珍しくない。
さらにユーザーに不親切と思うのは、メーカーによって機能を示す名称や略称が異なっていること。それ自体は、こうした先進技術の常ではあるが、ADASの普及度を考えると、そろそろメーカーが話し合うなどして用語を統一してほしい時期ともいえるだろう。
1)ACC
そんなADAS関係の機能はアルファベット3文字で表記されることが多いが、もっとも知られているのが「ACC」ではないだろうか。従来型のクルーズコントロールは、ドライバーがセットした速度を維持するというものだが、アダプティブクルーズコントロールの略称であるACCは、高速道路などで先行するクルマをセンサーでとらえて追従することができる。要は先行するクルマに速度を合わせ、常に適切な車間距離を維持するという機能だ。
このACCを区別するのに使われるのが「渋滞対応」や「全車速対応」といった言葉だ。いずれも停止までACCが制御できることを意味している。逆に、全車速に対応していない低速ではキャンセルされるタイプのACCもある。当然ながら全車速対応のほうが利便性は圧倒的に優れているため、選べるのであれば「全車速対応ACC」を装着したクルマを選んだほうがいい。
2)AEB
ACCと似た響きで、これまたよく耳にするのが「AEB」というアルファベットだ。こちらはオートノマスエマージェンシーブレーキングに由来するもので、日本語にすると衝突被害軽減ブレーキのことである。さまざまなセンサーによって歩行者や車両、障害物などを検知、ドライバーが必要な反応をしていないと機械が判断すると、急ブレーキをかけてくれるため「自動ブレーキ」という俗称もあるが、必ずしも衝突を回避できるわけではなく、あくまで衝突被害軽減という能力しかない。間もなく国産車の新型車には装着が義務化となるAEBだが、妄信するのはNGだ。
義務化ではあるが、AEBはメーカーによって呼び名が異なるのは若干のわかりづらさにつながっている。たとえばトヨタは「プリクラッシュセーフティ」、ホンダは「衝突軽減ブレーキ(CMBS)」、日産では「インテリジェントエマージェンシーブレーキ」といった具合だ。なお、衝突被害軽減ブレーキというのは国土交通省が使っている用語になる。
そんな具合に基準となる国土交通省ではあるが、自動車業界的には以前からAEBが主流となっているのに対して、国土交通省はAEBSというアルファベット表記を使っている。こちらはアドバンスドエマージェンシーブレーキングシステムの略称と微妙に異なっている。用語統一が難しい状況はしばらく続きそうだ。
あくまで支援! 頼りっきりはキケンな機能も
3)BSM
メーカー各社で用語が微妙に統一されていないことでわかりづらさにつながっているのは「BSM」もだろう。バンパーに内蔵されたレーダーやバックカメラなどを用いて、後側方の死角に車両がいることを検知、ドアミラーなどに内蔵されたインジゲーターを光らせることでドライバーに警報を伝えるというシステムだ。
BSMというのはブラインドスポットモニタリングの略称というのが業界標準的な見方だが、トヨタは「ブラインドスポットモニター」、ホンダは「ブラインドスポットインフォメーション」、日産は「ブラインドスポットワーニング」といったように、各社の名称は微妙に異なっている。いずれにしても、一般道から高速道路まで役に立つ機能で、うっかりミスを防止することが期待できる。選べるのであれば是非とも備えておきたい運転支援システムといえる。
4)LKA
最後に紹介するのが「LKA」で、レーンキープアシストの略称だ。これは高速道路において白線(区画線)を認識するなどして旋回をサポートしてくれるという機能。
日本語では車線中央維持などと呼ばれることが多い。こちらもメーカーによって呼び名は微妙に異なり、トヨタは「レーントレーシングアシスト」で、レクサスは「レーンキーピングアシスト(LKA)」、ホンダは「車線維持支援システム(LKAS)」と言っていたりする。さらにマツダは「レーンキープアシストシステム(LAS)」で、ボルボは「レーンキーピングエイド(LKA)」と呼んでいるなど、間違い探しのように各社で微妙に異なっている。もちろん、機能面でも多少の違いはあるので実際に選ぶ際には吟味したい。
なお、車線中央維持システムはスイッチを入れていて速度などの条件を満たしているときには常に作動するが、似たような名前の「車線逸脱警報」は異なる機能だ。こちらはウインカーを出さず、無意識にクルマが路外に出てしまいそうなときにワーニング音やインジゲーターなどによってドライバーに注意喚起をするというものだ。メーカーによっては逸脱をカバーするようなステアリング操作をアシストする場合もあるが、異常時に働く機能であって、常に頼るようなものではないので注意したい。

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