この記事をまとめると
■トヨタは2030年のゼロエミッション車の販売は全体の23%としている■日産は2030年代前半に日本、中国、米国、欧州に投入する新型車をすべて電動車両とする
■ホンダは2040年までに全車をEV&FCVにするが、欧州はメイン市場に含まれていない
各メーカーによって異なる10年後20年後の戦略
世界を席巻しているカーボンニュートラルの流れ。日本の自動車メーカーはこの荒波をどう乗り切り、10年後、20年後にはどのような姿になっているのか。今年に入ってからも各社が記者会見などで明らかにしているので、トヨタ、日産、ホンダの3メーカーに絞って見ていこう。
1)トヨタ
トヨタは9月、電池とカーボンニュートラルに関する説明会を開いた。主な内容は車載用電池の開発と供給に関するものだったが、そこではカーボンニュートラルの実現に向けて2030年に電動車は800万台、うちEV(電気自動車)とFCV(燃料電池自動車)で200万台の販売台数を見通していると公表した。
2020年のトヨタ(レクサス含む)のグローバル販売台数は約869万台だったので、この台数を基準に計算すると、92%が電動車、23%がゼロエミッション車ということになる。
そのためにも電池の開発は急務で、2030年までに1兆5000億円を投資するとともに、2020年代後半までにコスト半減を目指すと表明。次世代電池として注目される全固体電池は、昨年からナンバー付き車両で試験走行を始めたそうで、5年以内にまずHV(ハイブリッド車)に搭載するとしている。
日本メーカーにとって販売比率の低い欧州市場をどうするかに注目
2)日産
これまで50万台以上のリーフを販売し、インフラ整備やEV啓発活動も行ってきた日産は、1月、カーボンニュートラルについて新しい目標を発表した。
2050年にカーボンニュートラルの目標を設定し、2030年代の早い時期から、主要市場である日本、中国、米国、欧州に投入する新型車をすべて電動車両とすることにより、電動化技術の採用をさらに積極的に推進していくという。
一見すべて単独開発のように見えるが、その後6月に発表されたルノーの電動化戦略では、EVプラットフォームはC~Dセグメントは日産、Bセグメントはルノーが主体となって開発し、アライアンスで共用するとアナウンスしている。
同時に全固体電池を含むバッテリー技術の革新、エネルギー効率をさらに向上させた新しいe-POWERの開発のほか、電力網の脱炭素化に貢献するエネルギーセクターとの連携強化なども進めると表明。インフラを含めた多方面への取り組みを進めていくようだ。
3)ホンダ
ホンダは4月の三部敏宏社長就任会見で、2050年に同社が関わるすべての製品と企業活動を通じカーボンニュートラルを実現すると表明。四輪車では先進国全体でのEVおよびFCVの販売比率を2030年に40%、2035年には80%に高め、2040年にはグローバルで100%を目指すと明言した。
注目は北米で、GMとのアライアンスを柱のひとつとしており、GMのEV用バッテリーを採用した共同開発の大型EVを2024年モデルで投入予定とする一方で、ホンダが開発を主導する新EVプラットフォームの採用車種を2020年代後半から北米を皮切りに世界展開していくという。水素についてもGMとの協業をグローバルで継続するそうだ。
日本では2030年にハイブリッドを含めて100%電動車とすることを目指し、2024年には軽自動車のEVも投入。モビリティサービスでは先日発表があったように、GMと共同開発している車両の技術実証を2021年中に開始する。
個人的には数字の違いより、ホンダとGMのアライアンスが印象的だ。ルノー日産三菱アライアンスともどもしばらく続きそうで、残るブランドはトヨタと資本提携しているから、当面は異なる地域とつながりを持つ3つのグループが存在することになる。この体制はグローバルな戦いではプラスになるだろう。
もうひとつ気づいたのは、ホンダの考える主要市場が北米・中国・日本で欧州が入っていないこと。たしかに最新の販売実績で欧州は3%にも満たない。日産はともかく、他の2グループは欧州に無理に力を注がず、HVも受け入れる北米や中国をメインで考えていくことになるかもしれない。

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