この記事をまとめると
■スクールゾーンは子どもたちを交通事故から守るための交通安全対策重点地域■おおむね小中学校を中心に半径500mのエリアが設定されている
■リスクを考慮した走行や時間帯による進入禁止などが求められる
子どもの飛び出しなどのリスクを考慮した走行が求められる
「魔の7歳」という言葉を耳にしたことはあるだろうか。なぜか6~7歳の子どもが交通事故に遭う機会が異常に多いということから生まれた言葉だ。
それまで大人といっしょに移動することが多かった子どもたちが、小学校に通うようになり、登下校など子どもが一人で歩く機会が増えるため、交通ルールを守らなかったり、ふざけて車道に出てしまったりとリスキーな行動をとることが増えることが、魔の7歳の原因と言われている。
つまり、小学校周辺は意外にも交通事故リスクの高い地帯となる。
そこで1970年代に生まれたのが「スクールゾーン」という言葉だ。これは子どもたちを交通事故から守るための交通安全対策重点地域を示すもので、道交法などで定められているわけではないが、ほぼオフィシャルな言葉として浸透している。

おおむね小中学校を中心に半径500mのエリアがスクールゾーンと設定され、その範囲内においては歩道の拡張による安全確保のほか、車両に対しては路面標示などによりスクールゾーンであることをアピール、子どもの飛び出しなどリスクを予知した走行を求めるようになっている。
PTAの意見が取り入れられていることも
そのため、スクールゾーンのエリアにおいては速度制限を30km/hとするなど事故リスクを減らすようになっていることが多い。

また根本的な対策として、登下校の時間帯(7時~9時、13時~15時といった風に設定しているケースが多い)に車両進入禁止としている地域もある。この場合、ドライバーはスクールゾーンに入ることはNGだ。とくに交通安全運動や新年度などのタイミングで、進入禁止違反を重点的に取り締まっていること多いので気をつけたい。

このように安全を確保するために警察も関わっているのがスクールゾーン(各種規制については公安委員会の範疇)となっているが、けっして警察や学校がすべてを決めているわけではない。
筆者は、かつて小学校のPTA会長を務めた経験を持つが、スクールゾーンの運用などについては、町内会といった地元有識者とPTAなど学校関係者、地元警察署、自治体担当者などが一体となって毎年見直しを行なっていた。

そうしたなかで、車両進入禁止を廃止したというケース、歩道を拡張したというケース、路面標示をやり直したというケースなどさまざまな対応を見聞きしてきた。

スクールゾーンについて改善点を感じているならば、ただ不満に思うのではなく、PTAや町内会といった組織に参加することで、そのカイゼンを進めることもできるのだ。