この記事をまとめると
■間違われがちな名前を持つクルマがいくつか存在する



■例えば、三菱ミラージュ XYVYXを正確に書くのはかなり難しい



■ほかにも具体車種をいくつか挙げ、紹介する



三菱ミラージュのグレード「XYVYX」は超難解!

あくまで一般論ではあるが、年配の方は「カタカナ」を苦手とする場合が多い。



私が15年ほど前まで勤務していた中小出版社の社長は――当時60代だったと思うが――どうしても「スウェーデン」というカタカタを正確に書くことができなかった。彼が書くスウェーデンは常に「スエーデン」または「スウエーデン」になってしまっていた。



なぜいきなりこんな話をしているかといえば、今回WEB CARTOPから私に与えられたお題が「車名のなかには、なかなか正確に覚えてもらえない難解な車名がある。それを紹介せよ」というものだったからだ。



……そんなことって実際にあるのだろうか?



たしかに、1980年代に発売された三菱ミラージュ ザイビクスの英字表記は「……XYVYXだったっけ? それともZYVXXとかだったっけ?」と毎回迷う。ググらないと、いまだにザイビクスの英字車名を書けない私である。



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だが、あまりにも変態的な車名だった三菱ミラージュ ザイビクス以外のクルマについては、年配の人でさえなければ「車名を正確に覚えられない」なんてことはないのではないか?



……などと考えていた私のMacBook Airに、1通のメールがポポポーンと届いた。今やっている仕事に関係するA氏からであり、A氏の年齢はたぶん40代。

若くはないが、「年配」というほどの年ではない。



そんな彼からのメールの件名は、下記のとおりだった。



「アルジャジーラ大宮の件」



……はて。私は中東の衛星テレビ局である「アルジャジーラ」に関係する仕事をした覚えはないし、そもそもアルジャジーラがあるのは埼玉県ではない。カタールである。



まぁもうおわかりのこととは思うが、これは「大宮アルディージャ」というJリーグのサッカークラブについての件名を、A氏が「アルジャジーラ大宮の件」と書き間違えたのである。



A氏がアルディージャをアルジャジーラと書いてしまった理由は、彼が40代というけっこうなおっさんだからだろうか?



違う。



理由は、彼が「サッカーにほとんど興味がない人だから」である(のちに本人がそう言っていた)。



正しく「読めない」「書けない」「憶えられない」! 別に難解でもないのにナゼか「間違えられがち」な名前のクルマたち



人は、興味がある分野の名称に関しては難解であってもすぐに覚えるし、そうそう間違えるものでもない。だが興味がないと、A氏のような優秀な人(超有名雑誌の前編集長)であっても容易に間違えるのだ――というのが、「アルジャジーラ大宮事件」から私が学んだことだった。



であるならば、WEB CARTOP編集部が言うこともよくわかる。



これをお読みのカーマニア各位は「バカ言えよ、これを間違えるはずねえだろ!」と思うような車名でも、クルマにさして興味がない一般層の方がしばしば言い間違えたり、間違えて覚えたりする車名というのは、たしかに多数あるはずなのだ。



「エプリクス」に「パプリカ」に「アルジーナ」!?

代表的なもののひとつは「三菱エクリプスクロス」だろうか。カーマニアにとっては間違えようのない車名だが、そのへんのおっさんがしばしば「エプリクス」と言っているのを聞くような気がする。気持ちはわからんでもないが、大きな間違いである。



正しく「読めない」「書けない」「憶えられない」! 別に難解でもないのにナゼか「間違えられがち」な名前のクルマたち



ベントレーが2009年まで製造していた4ドアセダン「アルナージ」も、「アルマージ」あるいは「アルジーナ」と読んでしまう人は多いだろう。まぁ興味がないモノに対しては人間、そんなもんである。



正しく「読めない」「書けない」「憶えられない」! 別に難解でもないのにナゼか「間違えられがち」な名前のクルマたち



日本のモータリゼーション黎明期を支えた「トヨタ・パブリカ」を「パプリカ」と読み間違えるカーマニアはさすがにいないだろう。



だがモータリゼーションの歴史になど何の興味もない人からすれば、「パブリカ」という文字列が印刷されていれば「パプリカ」と空目するのが、米津玄師の影響もあって、当たり前といえば当たり前だ。またそのほか、書かれている文脈によっては、老眼が進んだカーマニアが「ブ」と「プ」を見間違える可能性はある。



正しく「読めない」「書けない」「憶えられない」! 別に難解でもないのにナゼか「間違えられがち」な名前のクルマたち



ヴィッツが「ビッツ」、レガシィが「レガシー」と書かれてしまうのはよくある話だが、トヨタC-HRのことを「……C-HRだっけ? それともCH-Rだったけ?」と一瞬悩んでしまうことは、ここだけの話、私もたまにある。おそらくC-HRというクルマに興味がないのだろう(すみません)。



だがそれはそれとして、トヨタ VOXYが「ヴォクシー」なのに、同じトヨタのAVENSISが「アベンシス」なのは納得がいかないというか、「表記の揺れ」としてトヨタ自動車に抗議したい思いはある。



正しく「読めない」「書けない」「憶えられない」! 別に難解でもないのにナゼか「間違えられがち」な名前のクルマたち



ここまでに挙げた車名のほかにも「興味がない人はまったく覚えられなかったり、間違えて覚えてしまう車名」というのはたくさんあるはずだ。

しかしあいにく、いろいろと調べてみたが思い当たらない。これは、おそらくは「俺もいちおうカーマニアだから」ということなのだろう。わからない人の気持ちが、わからないのである。



だが――スバル車に乗ってはいるものの「スバリスト」ではない私は、相変わらず「スバル・インプレッサ WRX typeRA STi VersionII V-Limited」みたいな長いやつを、まったく覚えることができない。そのジャンルにはあまり興味がない……ということなのかもしれないが。