この記事をまとめると
■2021年10月単月での登録車の新車販売台数は16万9723台で前年同月比67.3%だった■販売不調の原因は部品供給の滞りで完成車工場の稼働ができなかったことによるもの
■完成車の生産が回復しても大量のバックオーダーにより納期遅延回復には時間がかかる
部品不足で工場の稼働ができずに完成車を生産できない
10月中旬に、2021年9月の新車販売台数統計をもとに、あるセールススタッフと話をしていると、「10月以降はもっとひどくなるでしょうね」と語っていた。そして、自販連(日本自動車販売協会連合会)及び、全軽自協(全国軽自動車協会連合会)から、2021年10月単月での新車販売台数が発表されると、前出セールススタッフの話がまさに的中していた。
2021年10月単月での登録乗用車販売台数は16万9723台(前年同月比67.3%)、軽四輪乗用車の新車販売台数は7万9891台(前年同月比67.5%)となった。
つまり、ASEANなどの部品工場において、新型コロナウイルス感染拡大のロックダウンなどの行動規制の影響で工場を満足に稼働させることができず、部品供給の滞りが発生し、完成車工場の稼働に大きなダメージを与えることとなったためだ。そのため、完成車の生産も滞りを見せ、深刻な納期遅延が発生し、これが販売統計に大きな影響を与えているのである。
「サプライチェーンの混乱は収束する気配すらありません。いまや平時の2倍や3倍の価格で世界のメジャー完成車メーカーが、少ない部品を競って購入しています。すでにコイルに使う銅線すら希少となっているようです。ただ、部品がないとはいわれていますが、あるところにはあるようです」とは業界事情通。
年内は飛躍的な改善がまず見られないのは間違いない。しかも、完成車の生産が回復に向かっても、人気車ならば大量のバックオーダーを抱えているので、納期遅延を改善するまでにはさらに時間を要することとなる。
一強トヨタとダイハツが大打撃を受けた
ブランド別で見ると、登録車、軽自動車ともに速報値とはなるが、置かれている状況の違いがはっきりしている。登録車では"一強"とも言われているトヨタが前年同月比で55.2%と苦戦傾向が目立っている。そのほかではホンダが99.2%、日産89.2%、スバル97.2%、スズキ96.7%、三菱に至っては134.0%となっている。
前年同月といえば、すでにコロナ禍となっていたのだが、それでも新車販売全体の回復は早く、そのなかでも"一強"として販売台数を積み上げていたトヨタの状況が、統計からはより深刻なもののように伝わってくる。
軽自動車では軽四輪車総台数で見ると、ダイハツがスズキに5000台ほど差をつけられ2位になっている。かねがねダイハツは、今回のサプライチェーン混乱の影響が大きいとされている。ホンダも前年同月比50.1%と苦しんでいる。逆に日産は105.5%、三菱は93.0%となっているので、日産と三菱は影響をほとんど受けていない様子が伝わってくる。事実、日産系ディーラーへ行くと、「ウチは極端な納期遅延は発生していない」とセールススタッフが話してくれた。
軽四輪乗用車ではスズキがダイハツに約9000台差をつけてトップとなっており、ダイハツがサプライチェーンの混乱の影響をより強く受けている様子がわかる。
前述したように、年内いっぱいはまず改善されることは期待できないので、11月も深刻な統計数値となりそうだ。12月は暦年末となるので、それぞれのメーカーがどれだけ底力を発揮して販売台数を積み上げるかが注目の的となるだろう。

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