この記事をまとめると
■マツダの軽トラック「ポーター」を振り返る■長年製造されており、歴史の長いモデルだった
■「ガチャピン」の愛称で親しまれた
「ポーター」は商用車にも強かったマツダの象徴的存在だった
マツダの軽自動車というと、今でこそスズキからのOEM車両のみのラインアップとなっているが、じつは1950年代に登場した3輪軽トラックの「K360」をはじめとした長い歴史を持ったジャンルのひとつだったりもする。
そんなマツダの軽商用車として、未だに高い人気を維持し続けているのが「ポーター」だろう。荷物を運ぶ人、という意味を持つ英語がそのまま車名になっているポーターは、1968年にそれまでの4輪軽商用車であった「B360」の後継車種として登場。
B360と同じくトラックとバン、2つのボディタイプを持っており、当初は初代キャロルに搭載されていた当時の軽自動車規格の360ccでありながら、水冷の直列4気筒OHVの4ストロークエンジンを搭載。このエンジンはアルミシリンダーを採用してたことから「白いエンジン」という異名を持ったものだった。
しかし、低速トルクが細くコストもかかるということもあってか、1973年のマイナーチェンジで前年に登場していた新型軽乗用車、シャンテに搭載されていたAA型と呼ばれる水冷2気筒2ストロークエンジンへ換装されている。
マツダを代表するご長寿モデルだった
そんな紆余曲折を経たポーターであるが、1969年には同じポーターの名前を冠した新型モデル「ポーターキャブ」が登場する。
こちらは独立したボンネットを持つポーターとは異なり、キャブオーバータイプの新設計のボディとなっており、シートの下に収められたエンジンもポーターとは異なり、当初から2気筒2ストロークのものが搭載されていた。
このポーターキャブは、その愛らしいルックスから未だに多くのユーザーに愛されており、とくに360cc時代のモデルはそのルックスから「ガチャピン」の愛称でも知られている。そのため、ポーターというとポーターキャブの方を思い浮かべる人も多いようだ。
なお、ポーターキャブは1977年8月にビッグマイナーチェンジを実施し、エクステリアを大幅に近代化。また軽自動車規格が変更されたことでボディサイズは拡大され、エンジンも550ccへと改められたことで、車名も「ニューポーターキャブ」となった。ただ、マツダとして新たな550ccのエンジンを作る余裕はなかったようで、ここからは三菱製のエンジンの供給を受けて搭載していた。
その後もマイナーチェンジを重ね、1980年代後半にはエアコンをオプション設定するなど延命措置を続けながら、なんと元号が平成となった1989年夏ごろまで販売を継続。その後はスズキからキャリイのOEMを受けた「スクラム」がその後を継いで現在に至っている。

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