この記事をまとめると
■DS4が「世界でもっとも美しいクルマ」として表彰された



■世界中にはデザインに関するさまざまな賞があるので世界規模というわけではない



■日本メーカーのデザインも世界中の自動車メーカーから参考にされている



「世界でもっとも美しいクルマ」ってなんだ?

DS4が「世界でもっとも美しい」てな受賞をしたニュース、小首をかしげた方もいらっしゃるのではないでしょうか。美しいかどうかは主観ですけど、デザイン・カー・オブ・ザ・イヤーとか、コンセプトカー・オブ・ザ・イヤーとか似たような賞がたくさんあって、ほんとに権威があるのかしら、と思うのもごもっとも。しかも、フランスのブランドがフランス主催のアワードでトッププライズなんて「腕っこきのPR会社でも雇ったんだろが」なんてゲスな勘繰りをされても仕方ないでしょう。



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ともあれ、DS4は整ったプロポーションや、嫌味なくデコラティブなプレスライン、上手に演出した高品質感など、たしかにキレイに見えるクルマです。が、世界で指折りの美しさと称えられるクルマはなにもDS4だけではありません。



「世界でもっとも美しいクルマ」に待った! DS4に負けず劣らず美しいSUVを探してみた



たとえば、当サイトでもご紹介したベントレー・ベンテイガEWBは従来モデルから全長を180mmプラスすることで、より優美なアピアランスをゲット。悪路走破性、つまりアプローチアングル確保には不利なホイールベース延長もこの優雅さの前には些事として見逃したくなるほど。



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また、同じくスーパーSUVならランボルギーニ・ウルスだって他社が追随しえないインパクト。猛る牡牛よろしく躍動感にみなぎるサイドビューや、アグレッシブなフロントマスクだってSUVというより、なにか猛禽を想起させる造形で、美のなかに緊迫感を盛り込んだというポイントでは世界一かもしれません。



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前述したように美しいかどうかは見る者の主観がすべてかと。となると、アストンマーティン信奉者はDBXもまた「伝統的な美しさ」だとアピールしたくなるはず。お馴染みのグリル&ライトのコンビデザインや、テールのイルミネーションが描く凸ラインなど、DS4、いや他社のすべてが真似したくとも「伝統の壁」の前にあきらめざるを得ないレガシーそのものを体現。ガチな英国紳士、はたまた007ファンならDBXこそ「世界一美しい」と叫ぶはず。



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世界規模で見ればもっと秀でたデザインはもっとあると思うが……

さらに、先ごろ再上陸を果たしたヒョンデのIONIQ5も北米では「美しいデザイン」と数々のデザイン系メディアから高評価をうけています。いささか加飾線が多いようにも見受けられますが、プロポーションや車格ともDS4に太刀打ちできるモデルかと。



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ちなみに、フランス人は中華料理と同様に韓国料理も大好き! ことによれば、来年あたりはDS4に次いで「世界でもっとも美しい」アワードでうまいこといけちゃうかも!?



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そして、このヒョンデが、ひそかに世界戦略のベンチメーカーとして目しているのがマツダ。魂動(こどう)とか禅とか、やたらパワーワードを紐づけがちなブランドではありますが、現在はまだ国内未導入のCX-60は「美しい&カッコいい」といった評価にあふれています。



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ヒョンデのライン構成に対し、マツダはプレスによる立体的でふくよかなニュアンス。一方の「世界でもっとも美しい」DS4はそのどちらでもなく、バランスよく中間点に立つといった感じでしょうか。



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それにしても、DS4には十分な美が備わっているのに、わざわざ「世界でもっとも美しい」などと危ういショルダーフレーズを使うのはちょっと解せません。もしかするとPR業者がフランス流の炎上商法でも狙ったのかもしれませんが、皆さまはくれぐれもそういう謳い文句に踊らされませんように。

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