この記事をまとめると
■クルマの動力性能を比較する指標のひとつとしてに0-100km/h加速がある■世界の名だたるスーパーカーをもってしても長らく0-100km/h加速で2秒を切ることができなかった
■EVとハイブリッドのハイパーカーの登場により0-100km/h加速は1秒台の世界に突入した
0-100km/h加速はクルマの速さを比較するひとつの指標
クルマの動力性能は、最高速度、0-400m加速、そして0-100km/h加速で比較されることが多い。
このうち、停止状態からフル加速し、時速100kmに到達するまでのタイムを計る0-100km/h加速は、世界の名だたるハイパフォーマンスカーでも2秒台前半がベストで、長い間、市販車で1秒台を出すのは不可能なのではといわれてきた。
たとえば、1520馬力を誇るブガッティ・シロン・ピュアスポーツの0-100km/h加速は、2.3秒!
780馬力の4リッターV8ターボと3基のモーターを搭載し、システム総合出力1000馬力の史上最速の量産フェラーリ、SF90ストラダーレでも0-100km/h加速は2.5秒。

720Sをベースに生み出されたマクラーレン史上もっともパワフルなLTで、765台の限定モデル、マクラーレン765LT(765馬力、トルク800Nm)も0-100km/h加速は、2.8秒。

V12気筒、6.5リッターのNAエンジンで770馬力を誇るランボルギーニ・アヴェンタドールSVJも同じく2.8秒。

国産車最速の日産 GT-R ニスモは2.7秒。ホンダ NSXだと3.0秒と3秒台に……。

EVハイパーカーの登場で勝負は1秒台の世界に突入
また、加速といえば、ポルシェ911ターボだが、650馬力の911ターボSの0-100km/h加速のタイムは2.7秒。ポルシェのもうひとつの最高峰、911GT3(510馬力)だと3.4秒となっている。

F1でコンストラクターズ8連覇中のメルセデルAMGが誇るGT 4ドアクーペの0-100km/h加速は3.2秒だ。

ちなみにもう少し身近なスポーツモデルでは、スバル WRX STI タイプS(308馬力)が5.2秒。FF最速のホンダ・シビック・タイプRが5.7秒。

50系プリウスのパワーモードで10秒フラットといわれているので、0-100km/h加速が2秒台というのは恐るべき速さだというのがわかるはず。
こうした加速性能には、エンジン出力とタイヤのグリップ力はもちろん、車重の軽さ、そしてローンチコントロールやDCTの優秀さが大きく影響してくるが、カーボンなどのハイテク素材+最新電子制御技術を駆使しても、0-100km/h加速の上限は2秒台と考えられてきた。
しかしここに来て、ついに2秒の壁を突き破り、1秒台を記録するマシンが登場している。

また、テスラ・ロードスター(0-100km/h加速2.1秒)は、宇宙開発ベンチャー企業「スペースX」の小型ロケットシステムを搭載する「スペースXロケットスラスター」を設定するとのこと。このオプションパッケージを使えば、0-96km/h加速は1.1秒になると発表している。

さらに、2021年に正式に生産するという発表があった、中国初の1400馬力ハイパーカー「紅旗S9」も0-100km/h加速1.9秒、最高時速は約400km/hというスペックらしい。

まだ発売に至っていない「紅旗S9」は別として、ネヴェーラは、各ホイールに高出力モーターを搭載し、合計で1914馬力(最大トルク240kg-m)を誇るEVハイパーカー。テスタ・ロードスターも当然EVで、少なくとも加速性能に関しては、ガソリン車よりも起動トルク=最大トルクの電動モーターが圧倒的に有利なのは間違いない。
おそらく0-100km/h加速1秒台の世界は、EVかハイブリッド車に独占されるはず。ガソリンエンジンでは確かに2秒台が壁であったが、EVとハイブリッド車のハイパーカーの登場で、0-100km/h加速も1秒台の世界に突入していくことになりそうだ。