この記事をまとめると
■道路の工法は日々、進化している



■そのひとつにEPS工法(発泡スチロール土木工法)がある



■EPS工法の特徴やメリットについて解説する



最大の特徴は軽量性

クルマやタイヤも進化しているが、見えないところで道路の工法も進化している。



そのひとつがEPS工法。



EPS工法とは、大型の発泡スチロールブロックを盛土材料として積み重ねていく工法で、「発泡スチロール土木工法」とも呼ばれている。



凄いぞ発泡スチロール! なんと日本の道路を支える土台となって...の画像はこちら >>



EPS工法の歴史は意外に古く、1972年にノルウェーで開発され、1985年から日本国内にも導入がはじまっている。



その最大の特徴は、軽量性にある。



発泡スチロールの密度は土砂やコンクリートの約100分の1しかないので、軟弱地盤上の盛土に最適。盛土荷重の大幅な軽減が可能で、軟弱地盤の沈下、支持力不足などの問題をクリアできる。



またその軽さゆえ、大型建機不要で、人力施工すら可能とのこと。



発泡スチロールなので、撥水性、耐水性が高く、ほとんど水の影響を受けないのも特徴。



凄いぞ発泡スチロール! なんと日本の道路を支える土台となっていた



土の中に埋めても腐食しないし、カビとも無縁で科学的な安定感や耐候性は抜群。



発泡スチロールブロック自体に自立性があるので、これを積み重ねた構造を自立壁として利用できるのもポイント。



その他、緩衝性もあれば、圧縮耐性(EPSブロックの許容圧縮は20~350kN/m2)もあるので盛土材としては十分な強度がある。



さらに軽量で加工性にも優れるので、現場加工も可能で、納期短縮につながるのもEPS工法のセールスポイント。



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身近なところでは、2009年8月に発生した駿河湾を震源とする地震で東名高速道路の路肩が崩落したケースでは、現場の地盤が軟弱であることや 盛土内に転石が存在することから修復工事にEPS工法が採用され、一晩で盛土。

短期復旧に大きく貢献している。



その他、河川堤防上の道路拡幅工事や、橋台裏込め、軟弱地盤上の仮設道路、構造物の埋戻しなどにもEPS工法は適している。



完成後の維持管理も容易で、日本の道路づくりに欠かせない工法として、知らず知らずのうちに日々お世話になっているのがEPS工法だ。

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