この記事をまとめると
■とある人物の刑務所からフェラーリを注文していたという告白が話題になっている



■ある程度の購入実績と信用、そして資産があれば不可能ではない



■その人物にとっては、フェラーリをサーキットで走らせるよりも博打の方が刺激的だったらしい



塀の中から購入したフェラーリは渋谷にコレクションされていた

編集部よりメールが届いた。



「バクチでめちゃめちゃスッって、会社をクビになって刑務所に入った御曹司が、獄中からフェラーリを何台も注文していたそうですが、そんなことってできるんですか!?」



刑務所の中から「手紙」でスーパーカーが買えたってマジ!? フ...の画像はこちら >>



私はムショに入ったことはないが、条件によってはできるはずだ。その条件とは、ムショに入る前に、それなりの購入実績があること。

つまり、金銭的な信用があることだ。服役中であろうとなんだろうと、それさえあればフェラーリは買える。



編集部「フェラーリくらいのクルマになると、身元調査とかあるのかなと思ったんですが」



そんなものはない。スーパーカーに限らず、自動車の販売担当者たちが調べるのは、ローン滞納などの「ブラックリスト」に載っているかどうかだけだ(厳密にはローン会社が調べる)。



フェラーリだって商品だ。お金さえ払えば買える。さすがにムショのなかから1台目のフェラーリを買うのは難しいかもしれないが、それだってお金や信用さえあって代理人が手続きすれば買える。スペチアーレなどの限定モデルはいきなりは買えないが、それは塀のなかだろうと外だろうと同じ。これまでの購入実績によって判断される。



刑務所の中から「手紙」でスーパーカーが買えたってマジ!? フェラーリのサーキット走行を上まわる「賭博」の刺激



編集部の言う「御曹司」とは、元大王製紙社長の井川意高(もとたか)氏である。氏は大王製紙の3代目社長だったが、バカラ賭博にハマって海外のカジノで106億円以上を「熔かし」、その多くを子会社から不正に融資させていたとして、特別背任で懲役4年の刑に服した(自身の持ち株売却により不正融資は完済)。



暇つぶしで購入したフェラーリはバカラのための資金になった

獄中からの通信手段は手紙だけ。

手紙によってフェラーリの正規ディーラー「コーンズ」と通信し、スペチアーレを含む多くのフェラーリを購入。



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それを渋谷のセルリアンタワー地下駐車場(1台あたり月8万円)に保管していたという。合計台数は20台近くに達したそうだ。



井川氏の新刊「熔ける 再び」によると、フェラーリの通信販売は、獄中での「ちょうどいい暇つぶし」だったという。



氏は出所後、張り切ってフェラーリで富士スピードウェイを走ったものの、2~3周で「もういいや」と飽きてしまい、結局、保有していたフェラーリをすべて売却。バカラの種銭にした。



私はフェラーリ崇拝者だが、その心理は推測できる。サーキット走行はほかのスポーツと同じで、うまくなりたい、速くなりたいという気持ちがないと面白くない。また、一般人は、サーキットを走るだけで「クルマが壊れるかも」とか「ぶつかったら大変だ」といった危機感覚が沸く。フェラーリならなおさらだ。それを乗り越えてタイムを削るのは、大きな冒険である。



私は自分のフェラーリでサーキットを走るたびに、強い覚悟を持って臨んできた。

それは、一般大衆である私にとって、これ以上ない強い刺激だった。



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しかし、御曹司には、そんなものはないだろう。



井川氏はもともとクルマ好きで、東大生時代はBMW635iを乗りまわしており、その後もフェラーリ・デイトナを所有するなどしていたが、運転手付きの生活が長く、スポーツドライビングの情熱は失っていたようだ。



本当にクルマの運転が好きでない限り、高価なフェラーリでサーキットを走ったところで刺激はないし、意味すら感じられないことは容易に想像できる。氏にとっては、バクチ以上に刺激的なイベントはなかったのだ。

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