この記事をまとめると
■ペット同伴可の施設が増え、愛犬とドライブする人が増えている



■ドッグライフプロデューサーとしても活躍する筆者が愛犬ドライブで注意すべきポイントを解説



■注意点を守って安全・快適に愛犬とのドライブ旅行を楽しんでほしい



愛犬とドライブするならここに注意

いま、愛犬とともにクルマでドライブ旅行に出かける愛犬家が激増している。高速道路のSA/PAで多くの愛犬連れの家族を見かけるし、なによりも愛犬同伴型リゾート施設、ホテル、愛犬同伴可能な飲食店が急激に増えていることが、快適な愛犬とのドライブ旅行を後押ししてくれているのだ。



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筆者はモータージャーナリスト、ドッグライフプロデューサーとして活動し、毎月のように愛犬ドライブ旅行(仕事でも)に出掛け、その経験はもう30年を超える。

近年では、雑誌CARトップのドッグフレンドリーカー企画「CT DOG」の連載をまとめたムック「愛犬と乗るクルマ」があるほか、フォルクスワーゲンとボルボの純正ドッグベットのプロデュースも行ってきた。そうした経験から、愛犬を安全快適にクルマに乗せる方法については、それなりの知見を積み重ねてきていると自負している。



犬のためにクルマを選ぶぐらいの覚悟が必要! 30年の経験から伝えるワンコが幸せになるドライブ術



まずは、クルマの乗せ方として絶対にしてはいけないことについて。(1)車内で自由にさせる、(2)助手席になんの拘束装置もないまま乗せる、(3)運転手の膝の上に乗せる、(4)窓を大きく開けて顔や前足を出させる、そして(5)として子どももそうだが、車内に犬だけを残す……の5点がしてはいけないことの基本となる。



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(1)から(4)までは道路交通法違反となりうるだけでなく、(5)とともに愛犬の命にかかわる事例だけに厳禁である。ちなみに愛犬を運転席の膝の上に乗せる、窓から顔を出させる例では、運転手の飼い主が道路交通法違反で逮捕された例もある。



で、愛犬を安全かつ、快適にクルマに乗せるには、後席の乗車が基本(ミニバンなら3列目席含む)。さらに、犬用シートベルトを装着させる、固定したケージの中に入れる、あるいはわが家のように、後席に確実に固定した愛犬用ベッドを設置し、ソフトハーネス付きのリードを装着させて、リード側をヘッドレストに固定する……という方法が、犬種、サイズを問わず推奨される。なんの拘束装置もつけないまま愛犬を乗せるのは、万一の事故を含め、極めて危険だ。



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ちなみにもっとも安全な乗せ方として世界的に知られているのが、航空機にペットを乗せる際にも利用されるハードケージに入れることだが、大型犬用の場合、クルマのサイズ、荷室の寸法によっては積載が難しいこともある……と考えるのは愛犬家として失格。



もっとも安全とされるハードケージの使用を考えるのであれば、そのサイズが積載できるクルマにする、ぐらいの配慮が愛犬家として望まれるところだ。筆者は最初の犬(ゴールデンレトリーバー)を迎える前はセダンに乗っていたのだが、愛犬の成長に合わせ、以来、ステーションワゴン~ミニバン~ステーションワゴンに、愛犬のために乗り換えている。



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犬の快適さと安全性を考えた方法を

ただ、寂しがり屋の超小型犬、小型犬と飼い主ふたりのドライブとなると、愛犬を後席に乗せるのは無理! というケースもあるはずだ。どうしても助手席に乗せなければならない場合、もちろん、そのまま乗せるのは運転に支障をきたすし、万一のエアバッグの展開で愛犬にダメージを負わせる危険性があり、なおかつ道路交通法違反にもなる。



でも諦める必要なし。ホンダの愛犬用純正アクセサリーのHonda Dogシリーズにある「ペットシートプラスわん2」を使えばいい。後席だけでなく、助手席にも安全確実に装着できるアイテムで、前傾した形状のため、エアバッグの展開を回避可能。上面、サイド面がメッシュのため、通気性、飼い主とのアイコンコンタクトもバッチリ。どうしても愛犬を助手席に、というなら、筆者の知る限り、これを使うのが唯一の方法になる。



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筆者の愛犬は、歴代、ゴールデンレトリーバー、ラブラドールレトリーバー、キャバリア、そして現在はジャックラッセルのララ1頭だが、くどいようだが後席乗車が基本。大型犬、多頭と暮らしていたときは、Honda Dogシリーズのペットシートマットやフォルクスワーゲン純正のフラットベッド、ボルボ純正のドッグベッドのような、快適性、通気性、清掃性に優れた、ハンモック状のアイテムを使い、後席全体を、フロアに落ちる心配のない愛犬用スペースにしている。ハンモック状アイテムの選択の際は、前部にエアコンの風を通す通気孔があるもの(Honda Dogシリーズのペットシートマットでは肉球メッシュデザインのところ)を選びたい。



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愛車に後席用エアコン吹き出し口があればいいが、そうでないなら、インパネのエアコン吹き出し口からの冷風が後席にしっかり届くかが、暑い時期の暑がりの愛犬乗車ではとても大切な要件になるからだ。筆者の場合、後席の愛犬乗車部分に温度計のセンサーを設置し、運転席から後席の室内温度を常にモニターしているほどだ(22-24度が1年中、毛皮を着ている犬の快適温度と言われている)。



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つまり、暑い時期でなくても、車内の温度管理は乗員ではなく、愛犬中心にすべきということ。エアコンを効かせてちょっと寒いと感じるのであれば、飼い主はパーカーなどを1枚羽織ればいいだけだ。その点、トリプルゾーンフルオートエアコン装着車が理想的で、愛犬が乗車した後席部分の独立温度調整が可能となり、そこだけより涼しくしてあげることができる。ミニバンやプチバン、スーパーハイト系軽自動車にあるスライドドアのロールサンシェードも車内温度上昇を抑制する効果がある。



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そして、愛犬の乗車、降車方法も徹底したい。乗せる際はリードをつけたまま乗せ、車内で外す(その後、適切な拘束装置をつける)。下ろす場合は車内であらかじめリードを付けてから下ろすと安全だ(飛び出し防止)。



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また、長距離ドライブでは、1時間半~2時間に1回はSA/PA、道の駅などにクルマを止め、愛犬を車外に出してリフレッシュ(水分補給、散歩、トイレ含む)させてあげることも重要だ。そのために、わが家ではあらかじめ愛犬中心のドライブプランを立て、どこで休憩するか(ドッグランのあるSA/PAが理想)、どこに愛犬と入れるランチスポットがあるかなどを詳細にプラニングしている。愛犬連れ長距離ドライブでは、人間だけのドライブ旅行とは違い、自由の効かない部分もあるため、行き当たりばったりは避けるべきだと思っている。



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このほかにもお伝えしたいことは山ほどあるが、今回はここまで。秋、春は愛犬とドライブするのに最適な季節。

安全・快適に愛犬とのドライブを楽しんでほしい。犬にとって、1日中、飼い主と一緒にいられるドライブ旅行は、犬生の間でこのうえない幸せな時間なのだから。



犬のためにクルマを選ぶぐらいの覚悟が必要! 30年の経験から伝えるワンコが幸せになるドライブ術

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