この記事をまとめると
■ガードレールは大きく分けて「車両用防護柵」と「歩行者自転車用柵」の2種類■さらに「車両防護柵」は4種類に分けられる
■色についても決まりがある
ガードレールにもルールが定められている
ドライバーにとって、とっても身近な存在であるガードレール。近年、白色以外のガードレールも目にするようになってきたが、ガードレールにもいくつかの種類があるのはご存じだろうか。
いわゆるガードレールは、正式には「防護柵」と呼ばれるもの。
そして、「車両用防護柵」にも、ガードレール、ガードパイプ、ガードケーブル、ボックスビームの4種類が存在する。
ガードレールについてはあとで細かく語るとして、それ以外の3つについて解説しておこう。
まずガードパイプは、適度な剛性をもつ複数のパイプと支柱で構成された防護柵のこと。
ガードケーブルは鉄板やパイプを使わずに、ケーブルで構成された防護柵。ガードレールやガードパイプに比べ雪が積もりにくいのが特徴で、降雪量の多い地域でよく使われる。

ボックスビームは、角パイプと支柱で構成され、表裏がないので道路の中央分離帯などで見かけることが多い。

鉄板は折り曲げることで強度を上げている
メインのガードレールは、横木となる鉄板=「ビーム」の形状によって7種類の分類がある。
ガードレールに使われる鉄板=「ビーム」は、真っ平らな板ではなく、波を打つように折れ曲がっているはずだ。

プロペラシャフトのいらないFF車でも、低めのフロアトンネルがあるように、鉄板は折り曲げることで強度がアップする。
ガードレールも折り曲げの数は、強度によってC種、B種、A種、SC種、SB種、SA種、SS種の7種類があり、一番強度の低いC種は市町村道、次のB種は県道や国道、A種以上は交通量の多い幹線道路や高速道路、自動車専用道路などに使われることになっている。
ちなみにもっとも強度が高いSA種やSS種は鉄道の上を高速道路が通っているような跨線橋などに用いられ、線路にクルマが落下するのを防止している。
道路には「設計速度」が決まっていて、防護柵=ガードレールもそれに基づいて設置されているというわけだ。
一方、歩行者自転車用柵は、車両用に比べてパイプなどが細く、歩行者や自転車が路外や車道に転落したり、車道を横断するのを防ぐのが主な役目。

耐荷重が基準値に達していれば設置が可能で、歩道と車道を区分することで歩行者の安全確保をするという意味合いもある。
またガードレールの色については、安全性を最優先し、視認性がよく、夜間でも目立つ白色が基本。ただし、2004年に国土交通省が景観に配慮した「景観ガイドライン」を定めたことで、白色以外も解禁に。
現在は景観ガイドラインに定められたダークグレー(濃灰色)、ダークブラウン(こげ茶色)、グレーベージュ(薄灰茶色)などが増えつつあり、山口県の県道には、「夏みかん色」(黄色)のガードレールも!

景観という面では、車窓からの景色が見やすいガードパイプの普及も広がりつつある。