消費者庁と国民生活センターが共同で運営する「医療機関ネットワーク」には、2019年度から2024年12月までの5年余りで、屋外での走行中に101件の事故事例が寄せられた。自動車と接触して子どもが死亡する痛ましい事故もたびたび報じられている。
キックバイクの公道走行には、子ども自身が危険にさらされるだけでなく、歩行者にケガを負わせ「加害者」となってしまうリスクも潜んでいる。もし子どもがキックバイクで他人にケガをさせてしまった場合、その責任は誰が、どのように負うのだろうか。交通事故事件に詳しい鷲塚建弥弁護士に話を聞いた。
子ども本人に責任を問えるか?
そもそもキックバイクとは、ペダルとチェーンがない二輪の乗り物で、バランスバイクやトレーニングバイクとも呼ばれる。子どもが両足で地面を蹴って進むことで、自転車に乗るためのバランス感覚を養うことができる。このキックバイクに衝突されるなどしてケガを負った場合、加害者である子どもが未就学児や小学校低学年であれば、本人に法的な責任を問うことは難しい。民法では、未成年者は他人に損害を加えた場合でも、自己の行為の責任を弁識するに足りる知能(責任能力)を備えていなかったときは、賠償の責任を負わないと定められているからだ(民法712条)。
そして実務上、「責任能力」はおおむね12歳程度にならなければ認められないケースが多い。このように、責任能力のない子どもが起こした事故については、民法714条に基づき、監督義務者である親が責任を負うことになるのが一般的だ。
なお、鷲塚弁護士は「最終的な判断は個別事案における子どもの発達状況や事故態様等を踏まえ、裁判所が総合的に行う」とも付け加える。
「一瞬の隙」は通用しない? 公道走行禁止が意味する「親の重い責任」
キックバイク事故において、親の監督責任は特に重く問われる可能性がある。その最大の理由は、前述のようにキックバイクが道路交通法上、自転車ではなく「遊具」に分類され、公道での走行が禁止されているという点にある。鷲塚弁護士は、このルールの重要性を次のように指摘する。
「キックバイクは『遊具』の位置づけなので、道路交通法76条4項3号により『交通量の多い道路』での使用は禁止されています。警察やJAF等も『人や車の交通がひんぱんな道路で遊ぶことはできない』と明確に注意喚起しています」
このルールを破って公道で子どもを遊ばせていたという事実は、親が「監督義務を果たしていた」と主張することを著しく困難にする。特に、交通量の多い車道・歩道付近で遊ばせていた場合や、親が近くにいたにもかかわらず進路やスピードを十分に制御させていなかったといった事情があると、「監督義務を尽くしていた」と主張しても認められる可能性はかなり低い(事実上困難)と考えられる、と鷲塚弁護士は指摘する。
では、「目を離した一瞬の隙だった」という弁明は通用するのだろうか。この点についても、鷲塚弁護士は厳しい見方を示す。
「従前から自転車事故等の裁判例で、『目を離した時間がごく短かかった』ことだけでは監督義務違反が否定されにくい傾向があります。特に、直接的な監視下で目を離して事故が発生した場合、監督義務違反(作為義務違反)が認められやすくなります」
つまり、車や人が行き交う道路の近くで乗り物で遊ばせるといった、親にとって危険が予見できる状況下では、「一瞬の隙」であっても、そもそもその状況で目を離したこと自体が監督義務違反と評価される可能性が高いのである。
子どもが起こした事故で「数千万円」の損害賠償リスクも…
万が一、キックバイクで他人に重大なケガを負わせてしまった場合、親は多額の賠償責任を負うリスクがある。法律上、自転車とは扱いが異なるキックバイクでも、事故を起こして損害賠償責任を負った場合に、それをなんらかの保険によってカバーすることはできるのだろうか。この点について鷲塚弁護士は、自転車保険や火災保険、自動車保険などに付帯できる「個人賠償責任保険(個人賠償責任特約)」の重要性を指摘する。
「この特約は、その損害保険が本来対象とする事故に限定されず、『日常生活における偶然な事故による対人・対物賠償』を幅広くカバーします。子どもがキックバイクで事故を起こした場合も対象となるのが一般的です」
しかし、もし無保険の状態で重大な事故を起こしてしまった場合、その代償は計り知れない。
「キックバイクであっても、頭部外傷等により重い後遺障害が残った事案となれば、数千万円、場合によっては億単位の損害賠償が認められることもあり得ます」と鷲塚弁護士は警鐘を鳴らす。家庭の経済状況を揺るがしかねないリスクが、身近な遊具に潜んでいることを認識する必要がある。
歩行者側の「歩きスマホ」は“過失”として考慮されるか?
親の監督責任が重く問われるキックバイク事故だが、被害者側に落ち度があった場合はどうか。たとえば、歩行者が「歩きスマホ」に気を取られていたようなケースでは、「過失相殺」によって賠償額が減額される可能性はあるのだろうか。この点について鷲塚弁護士は、まず一般論として「自転車・歩行者事故でも、歩きスマホなどの被害者側の過失は一定程度考慮されるので、同様に(賠償額減額の)余地はあると考えられます」と述べる。
過去の裁判例では、成人は幼児などの「歩行弱者」の存在に注意し、衝突を回避すべき義務があるとされたケースもある。この考え方を応用すれば、幼児がキックバイクで接近してくるのを認識しながら漫然と歩き続けた成人歩行者に、一定の過失が認められる余地は理論上存在する。
しかし、鷲塚弁護士は「キックバイクの公道使用がそもそも違法な行為であるため、話は単純ではありません」として、「『相手が幼児だから大人の歩行者の方が不利に判定される』という事態は、一般的には想定しにくい」と釘を刺す。
「むしろ、キックバイクの公道使用が禁止されているというルールに照らせば、保護者側の責任が重く評価され、歩行者側の過失はあったとしても限定的にしか評価されない可能性が高いと考えられます」
つまりは、違法な状況を作り出した保護者側の責任が、より重く見られるということだ。
国民生活センターは、保護者に対し、子どもにキックバイクを使用させる際には取扱説明書を確認すること、そして坂道や道路など使用が禁止されている場所で子どもを遊ばせないことを強く呼びかけている。また、ヘルメットなどの防具を着用させ、必ず保護者が立ち会い、子どもから目を離さないようアドバイスしている。
キックバイクは、子どもの成長を助ける楽しい遊具である。

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