学習塾「第一ゼミナール」や通信制高校を展開するウィザスは、国内投資ファンドの日本産業推進機構(NSSK、東京都港区)のTOB(株式公開買い付け)を受け入れて株式を非公開化する。人口減少や少子化、オンライン化の加速、生成AI(人工知能)の普及など、教育業界を巡る環境が厳しさを増すなか、NSSKグループの経営ノウハウや投資実績を活用し、経営環境の変化に対応可能な組織づくりやガバナンスの強化を進めるのが狙い。

NSSKグループは、日本語学校を運営するWEWORLD(東京都新宿区)やパソコン教室を全国展開するミライフ(大阪市)など教育業界での投資実績を持つ。ウィザスの筆頭株主である投資ファンドGlobal ESG Strategy(ケイマン諸島)などを運営するシンガポールのスイスアジア・フィナンシャル・サービシズと、ウィザス創業家一族は、合計39.81%の株式をTOBに応募することで合意している。

買付代金は296億円。買付価格は1株につき3237円で、公表前営業日の終値2724円に対して18.83%のプレミアムを加えた。ウィザスはTOBへの賛同を表明し、株主に応募を推奨している。

買付予定数は912万9594株(新株予約権を含む)で、下限は所有割合65.26%にあたる595万8100株。

買付期間は2025年6月10日から7月22日までの30営業日。決済の開始日は7月30日。公開買付代理人はSMBC日興証券。買付主体はNSSK傘下の買収目的会社NSSK-J1(東京都港区)。TOB成立後、一連の手続きを経てウィザスの東証スタンダード市場への上場は廃止となる。

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