
2025年は巳年。ヘビは古来、神の使いとして大切にされ、神話や民話に数多く登場する。
「巳さん」と親しみを込めて呼ばれる白蛇を祀っているのが和田神社(神戸市)。十二支の巳は、豊穣や金運をもたらすほか、生命や再生の象徴ともされている。
その白蛇が1680年の 旧暦の7月24日(現8月27日)に、初めて和田神社に姿を現したと「延宝八申年南濱万覚帳」や「網屋古伝記」などの古文書に記されており、和田神社ではこの日に「巳さん」を称え感謝を伝えるための「神使祭(しんしさい)を行っている。
古文書の他にも明治の社殿移転の際や、戦災後の本殿再建の際にも白蛇が姿を現した話が伝わっており、社務所ロビーには崇敬者が奉納した多くの白蛇に関する展示物がある。
願い事を神様に運んでくれる祈願巳
境内には巳塚(みつか)があり、願い事を書いて納めると「巳さん」が願い事を神様に運んでくれると伝えられている祈願巳(きがんみ)が数多くお供えされている。

巳塚の場所はやや分かりづらいが、境内にある高倉稲荷神社前にある数多くの小さな鳥居が目印となる。この鳥居を抜けた正面にある高倉稲荷神社の左隣が巳塚で、12日ごとに巡ってくる巳の日(みのひ)には、多くの崇敬者が訪れる。
この高倉稲荷神社は京都伏見稲荷神社から招き迎えた神社で、江戸時代から祭事が行われており、現在も経営者らの信仰を集めているという。
境内にはこのほかにも、道開きの神様として知られている猿田彦神と、芸事を司る神様の天宇受賣神(あめのうずめのかみ)が祀られている猿田彦社や、和平の神様である大宮能咩神(おおみやのめのかみ)をはじめ多くの神様が祀られている宮比神社、火を司る神様が祀られている秋葉神社、飾られなくなった人形のお祓いを行う人形塚などもある。

手をかざすと鈴が鳴るセンサー
和田神社は平清盛が1173年に港(兵庫津=大輪田泊)を建設する際に、工事の無事と将来の繁栄を祈願して、安芸の宮島(厳島神社)から観請(分霊を他の神社に移すこと)した市杵嶋姫大神(いちきしまひめのおおかみ)や、天御中主大神(あめのみなかぬしのおおかみ)、蛭子大神(ひるこのおおかみ)が祀られている。本殿には、お詣りの際に手をかざすと鈴が鳴るセンサーが取り付けられており、歴史を感じる厳かな雰囲気の中、ちょっとした意外性を楽しむことも。

目を引く大鳥居
和田神社の入り口には大きな鳥居があり、周辺に高い建物が少ないため、離れた場所からでもその姿を見ることができる。境内のすぐ近くには三菱重工業の神戸造船所や三菱電機の工場がある。
最寄り駅は神戸市営地下鉄海岸線和田岬駅(和田神社まで徒歩2分)で、JR西日本⼭陽本線和⽥岬⽀線和田岬駅からも、徒歩5分ほどの距離にある。常時開放されており、いつでも参拝できる。
文:M&A Online記者 松本亮一
【M&A Online 無料会員登録のご案内】
6000本超のM&A関連コラム読み放題!! M&Aデータベースが使い放題!!
登録無料、会員登録はここをクリック