

2025年4月のM&A件数(適時開示ベース)は前年同月比7件増の102件となり、3カ月連続の前年比増となった。4月単独で100件の大台を超えたのは2008年の集計開始以来初めて。
上位10社中5社が海外がらみ
4月の特徴としては、海外企業、海外の事業が関わる案件が上位10件中5件を占めることだ。日本企業が海外企業に買収される例は上位にはなく、国内市場が縮小する中、積極的に海外市場に打って出る動きが目立つ。
上位10社以外にも、11位にZOZO<3092>がファッションECプラットフォーム運営の英LYSTを子会社化、12位に三井物産<8031>が液体化学品タンクターミナルのベルギーITC Rubis Terminal Antwerpを子会社化するなど、100億円を超える海外案件が続いた。
海外案件全体は、25件と前年同月比で7件増加した。日本企業が海外企業を買収するアウトバウンドは16件、海外企業が日本企業を買収するインバウンドは9件だった。
金額上位の案件
金額1位は、野村ホールディングス<8604>が豪州の金融グループであるマッコーリーから米国資産運用部門を取得した案件。米国のパブリック・アセットマネジメント事業を取得することで、運用資産残高(AUM)の拡大と顧客ニーズへのきめ細かい対応を目指す。野村HDのAUMは約7700億ドル(約108兆円)に拡大し、海外顧客比率が35%超となる見込み。
金額2位は、SBIホールディングス<8473>が、韓国子会社のSBI貯蓄銀行を同国の生保大手、教保生命保険(ソウル)に譲渡した案件。SBIは教保生命保険への出資も現在の9%から20%超に増やし、関係を緊密化させる。
住友ファーマ<4506>が、アジアでの医薬品販売事業を丸紅<8002>子会社の丸紅グローバルファーマに譲渡する案件では、住友ファーマは中国・東南アジアの事業を手放し、北米に経営資源を集中する。
5月のM&A取引金額TOP10社名内容金額(億円)1野村ホールディングスオーストラリア金融グループのマッコーリーから米国資産運用部門を取得2,5842韓国子会社のSBI貯蓄銀行を同国の教保生命保険に譲渡9003トクヤマJSRから体外診断用医薬品事業を取得8204日本郵船ENEOSホールディングス子会社の海運事業の一部を取得7605丸紅丸紅子会社の丸紅グローバルファーマが、住友ファーマのアジアでの医薬品販売事業を取得7206ミネベアミツミ芝浦電子をTOBで子会社化6757日鉄ソリューションズSI事業展開のインフォコムを子会社化5508ミスミグループ本社機械部品オンライン調達サービスの米国Fictivを買収5129アマダ半導体基板加工機大手ビアメカニクスを子会社化51010GENDA北米アミューズメント大手Player One Amusement Groupを子会社化260
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