【M&Aレポート】2024年の九州・沖縄地方のM&A件数、過去最多を更新

 九州・沖縄地方(福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県)の2024年のM&Aは統計を取り始めて以降、過去最多を更新した。

上場企業に義務付けられている適時開示情報のうち、経営権の移転を伴うM&A(グループ内再編は除く)について、M&A Onlineが集計した。

【M&Aレポート】2024年の九州・沖縄地方のM&A件数、過去最多を更新

M&A件数(売り手、買い手、対象のいずれかが8県に拠点を置いている案件の件数)は85件と、2022年の67件を大幅に上回り、2年ぶりに過去最多を更新した。

金額面では、100億円を超える大型案件が2件と少ないものの、件数の増加で617億円に着地した。

鹿児島県と熊本県を除く6県で前年よりも件数が増加し、とりわけ福岡県に関連するM&Aの増加が件数を押し上げた形だ。県別にみると、件数トップが福岡県の54件で、次いで沖縄県の8件だった。

※買い手、売り手、対象企業・事業の所在地を単純集計。買い手、対象、売り手が同一県であれば、1件とカウントします。県別の件数は福岡県のA社 (買い手)が、鹿児島県に本社を置くB社 (売り手)の沖縄県にある子会社(対象)を買収したケースでは福岡県、鹿児島県、沖縄県それぞれ1件ずつとし、買い手、売り手、対象の全てが福岡件内である場合は福岡県で1件のみとカウントしています。

◎県別M&A件数の推移

2020年2021年2022年2023年2024年福岡県3129434654沖縄県41628長崎県20512鹿児島県13453大分県52437熊本県61375宮崎県11346佐賀県01112

金額トップは、すかいらーくホールディングスがうどん店「資(すけ)さんうどん」をチェーン展開する、資さんの全株式を取得し子会社化した案件。買収額は240億円で、地方ロードサイド店舗事業における新しい有力外食ブランドを獲得する狙い。「資さんうどん」は北九州発祥で、福岡県を中心に九州各県、山口県、岡山県、兵庫県、大阪府などに70店舗超を展開する。

金額2位は、三井松島ホールディングスが中小企業や個人事業主向けの不動産担保融資事業を手がけるエム・アール・エフ(福岡市)を子会社化した案件。三井松島は祖業の石炭事業からの転換を進めるため、積極的なM&Aで経営を多角化している(石炭事業は2023年度で終了)。

◎M&A金額上位

1すかいらーくホールディングス北九州発祥のうどん店をチェーン展開する「資さん」を子会社化240億円2三井松島ホールディングス事業者向け不動産担保融資のエム・アール・エフを子会社化113億円3ニップン

冷凍食品製造・販売の畑中食品を子会社化

60億円4メドレー医療分野向けパッケージシステム開発のオフショアを子会社化26億円5OCHIホールディングス福島県会津若松市の弓田建設を子会社化24億円6日創プロニティパッキン・シール材販売の大鳳を子会社化18億円7ワイエスフード米国・メキシコでラーメン展開のTajima Holdingsを子会社化15億円8トーアミ型枠工事業の中條工務店を子会社化13億円9チエル事務機器販売のオキジムを子会社化へ13億円10ジェイリースソフト開発のエイビスを子会社化12億円

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