香港投資ファンドのオアシスが「小林製薬」株を買い増し保有割合が10.1%に 2024年12月の大量保有報告書

M&A Onlineが大量保有データベースで2024年12月の大量保有報告書などの提出状況を調べたところ、「紅麹」サプリメントの健康被害問題に揺れる小林製薬の株式について、香港の投資ファンドのオアシス・マネジメント・カンパニー が2.56%買い増し、保有割合が10.1%に高まったことが分かった。

オアシスは2024年7月に小林製薬株の5.2%を新規保有したあと、11月には保有割合を7.54%に高めていた。

南青山不動産、三井住友建設株を5カ月連続で買い増し

小林製薬は2024年12月26日に「主要株主の異動に関するお知らせ」を発表し、オアシスによる総株主の議決権の数に対する割合が10.63%になったことを明らかにした。大株主の順位については「確認ができていない」としている。

また小林製薬は2024年12月2日に、Oasis Japan Strategic Fund Ltd.から「臨時株主総会招集請求書」を受け取ったと発表した。Oasis Japan Strategic Fund Ltdは総株主の議決権の100 分の3以上の議決権を6カ月前から引き続き保有している株主であるという。

さらに小林製薬は2024年12月13日に、2024年12月31日から 3カ月以内に臨時株主総会を開催することを検討していることを明らかにしている。

このほか12月は、旧村上ファンド系の南青山不動産が、三井住友建設の株式を4度買い増し(4.29%)、保有割合を24.94%に高めた。

南青山不動産は前月の2024年11月にも三井住友建設の株式を3度買い増し(3.52%)、保有割合を20.65%に引き上げていた。南青山不動産が三井住友建設株を買い増すのは5カ月連続となる。

また南青山不動産は大豊建設株も1%買い増し、保有割合を17.78%に高めた。南青山不動産が大豊建設株を買い増すのは2024年9月以来3か月ぶり。

「一風堂」の創業者は保有割合を引き下げ

ラーメン店「一風堂」を展開する力の源ホールディングスの創業者で、同社会長の河原成美氏が、力の源ホールディングス株の保有割合を3.63%引き下げ、43.44%とした。

河原氏は2017年3月に60.81%を保有していたが、2024年12月を含め4度保有割合を引き下げており、この間に保有割合は17.37%低下した。

力の源ホールディングスについては2022年に、Nippon Opportunity Management LLCが5度保有割合を引き下げ(5.23%)、4.76%となったあとは2024年12月まで大量保有報告書の提出はなかった。

また、石川県能美市に本社を構える歯科診療用品の通販大手の歯愛メディカルは、女性用下着ネット販売と直営店舗「SHIROHATO」を運営する白鳩の株式17.07%買い増し、保有割合を50.2%に高め子会社化した。

歯愛メディカルは2024年11月18日から同年12月13日まで、白鳩に対しTOB(株式公開買い付け)を実施していた。

白鳩株については、小田急電鉄が保有割合を6.74%引き下げ0.21%に、白鳩の元役員の池上正氏が保有割合を6.89%引き下げ0.22%としたほか、SBI証券は保有する全株式(7.34%)を手放した。

2024年12月の大量保有報告などの提出件数は1043件で、このうち保有割合を増やしたのは284件、新規保有は180件、保有割合を減らしたのは496件、契約の変更などは83件だった。

文:M&A Online記者 松本亮一

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