パーソナルジム運営「トゥエンティーフォーセブン」、英会話のNOVAと連携して新業態アスレチックジム展開

英会話教室などを運営するNOVAホールディングス(東京都品川区)の親会社である、いなよしキャピタルパートナーズ(東京都品川区)に傘下入りしたパーソナルジム運営のトゥエンティーフォーセブン<7074>が、NOVAホールディングスとの連携を強化し、新業態のアスレチックジム(筋力や持久力などを高めるマシンを備えた施設)の展開に乗り出した。

既存業態である「24/7Workout」は、個室型のパーソナルトレーニングジムで、成果志向が強く高価格帯に位置する。

今後はこの既存業態に加え、アスレチックジムに英会話教室NOVAを併設するなどの、低価格で、成果だけでなく、体験志向の内容を取り入れた四つの新業態を同時に展開する。

この取り組みで、コロナ禍の影響で赤字が続いている厳しい状況を改善し、2025年11月期は6期ぶりに営業損益の黒字化を目指す。

四つの新業態とはどのようなものだろうか。

2027年には新業態ジムを41店舗に

新業態は、アスレチックジムの中に個室型パーソナルトレーニングジムを併設した「FIT」、アスレチックジムと英会話NOVAを併設した「FIT×NOVA」、既存の24/7Workout にピラティス(ドイツで考案された健康の維持、増進を目的とした運動)を併設した「Workout×Real Pilates」、完全オーダーメイドのピラティスを提供する「Real Pilates」の4タイプとなる。

4タイプともに2025年11月までにオペレーションの確立や、事業モデルの構築、1号店の立ち上げなどに取り組み、2026年11月までに直営店の増加やフランチャイズ展開の準備を進め、2027年11月までに、さらに直営店を増やすとともにフランチャイズ展開に乗り出す。

店舗数は2025年11月期に102店(既存業態91店舗、新業態11店舗)とし、2027年11月期には150店舗(既存業態109店舗、新業態41店舗)への拡大を目指す。

こうした事業展開で、2025年11月期は営業損益が1100万円(前年度は3億6300万円の赤字)と6期ぶりの黒字となり、2026年11月期は当期損益が9200万円(同1100万円の赤字)と、こちらも6期ぶりの黒字を見込む。

パーソナルジム運営「トゥエンティーフォーセブン」、英会話のNOVAと連携して新業態アスレチックジム展開
トゥエンティーフォーセブンの業績推移
2025/11は予想、2026/11、2027/11は計画

低価格、体験志向で顧客ニーズをつかめるか

トゥエンティーフォーセブンは、2024年5月に、いなよしキャピタルパートナーズによるTOB(株式公開買い付け)を受け入れ、同社の子会社となった。

いなよしキャピタルパートナーズは2007年に経営破綻したノヴァから英会話教室「NOVA」事業を取得しており、現在、子会社のNOVAホールディングスが運営する英会話教室事業では10万人を超える顧客を抱えている。

いなよしキャピタルパートナーズの創業者で、同社の代表取締役と、NOVAホールディングスの社長を兼務する稲吉正樹氏が2024年7月に、トゥエンティーフォーセブンの代表取締役会長に就任し、NOVAホールディングスと、トゥエンティーフォーセブンが2024年4月に結んだ資本業務提携に沿って、顧客数の増加や業務の効率化に取り組んできた。

トゥエンティーフォーセブンは、これまで20~50代男女で本気で身体づくりに取り組みたい層をターゲットにし、食事制限なしの質の高いトレーニングを提供してきた。

コロナ禍で顧客が減少し、コロナ禍の影響が薄らいだ後も顧客数に回復が見られないことから、多様化した顧客ニーズにマッチしたサービス内容や価格を提供できていないと判断。

アスレチックジムの新しい業態を開発し、これまで蓄積してきた質の高いトレーニングを提供する人材育成のノウハウや顧客満足度を向上させるための仕組みを活かして、顧客層を広げることにした。

フィットネス(健康の維持、増進のための運動)市場は、健康志向の高まりなどを背景に今後も拡大していくと見られている。

低価格、体験志向などに舵を切ったトゥエンティーフォーセブンは、多様化した顧客ニーズをつかみ、成長の波に乗ることはできるだろうか。

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文:M&A Online記者 松本亮一

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