大往生をとげた大聖堂の猫
画像はイメージです
英国南西部にあるサマセット州ウェルズは小さな大聖堂都市であり、その美しい大聖堂はとくに有名です。この大聖堂とその周辺には長年3匹の猫が暮らしており、それぞれ人々と交流して深く愛されていました。
そんな1匹が茶トラ猫のLouisです。
主任聖具係のSimon Roseさんは「Louisは大勢の人々を無視するのが好きでした。礼拝に数百人から千人ほどが集まると、堂々と通路を歩いて最前列に座って人々を眺めたり、毛づくろいをしたりしていましたね。この猫は人気者で、大聖堂の売店ではその肖像が描かれたさまざまなグッズが販売されていました」と話しています。
2012年5月にはBarbara Cooke著の児童書「大聖堂の猫Louis」も出版され、収益はここの聖歌隊員信託基金に寄付されました。
Louisは2016年末にここでの生活から引退して、大聖堂関係者の家族の住居に移り、家猫として快適な暮らしを始めました。20歳ころには耳が聞こえなくなっていましたが、それ以外は健康で快適な生活を楽しんでいたと伝えられています。
2019年11月、Louisは突然体調を崩し、レントゲン検査で「肺に影があり水が溜まっている」と判明しました。予後が不良で、これ以上の苦痛を避けるために安楽死させるのが最善だと判断され、虹の橋を渡ったのです。
Louisはすばらしい生涯を送りました。
絵本にもなった司教館の猫
画像はイメージです
同大聖堂に隣接する司教館は、800年以上にわたり司教のための居所として使われてきました。
そこにはMaisieという名のメスのトラ猫が暮らしていました。とても探検好きで、約5.5ヘクタールの広大な敷地で狩りをするのが大好きな猫でした。観光客の通るルートもよく知っていて、人々と一緒に歩いて、ときにはちゃっかりおやつをもらうこともあったといいます。
Maisieは、大聖堂の猫Louis(前述)とも仲良しで、2匹でよく司教館の敷地を歩く姿が見られました。
司教館には堀があり、そこにはたくさんの白鳥がいます。白鳥たちは餌が欲しいと門番小屋のロープを引いて鐘を鳴らすことで有名です。ある日、Maisieは好奇心いっぱいで白鳥に近づこうとして、うっかり堀に落ちてしまいました。幸いにも門番の妻がすぐに水に跳び込み、Maisieを無事に救い出してくれました。
Maisieは、美しい挿絵入りの児童書「司教館の猫Maisieの冒険」(Carol Arblaster著)で、主人公として描かれました。歌手でソングライター、ケルトハープ奏者でもあるCarolさんは、Maisieを題材にした数曲を収録して付属CDにもしています。
冒険好きな陶器工場の猫
画像はイメージです
ブラック・ドッグ・タイルズ社は、この大聖堂と司教館のすぐ近くに本社を置いています。
もちろん大聖堂でも有名になりました。PangurはLouisの平穏な生活を脅かす存在になったのです。チャンスと見ればLouisの餌を横取りするし、聖堂守の事務所にある猫の寝床を奪ったりしていました。
さらに曲がりくねった石段を登った先にある大聖堂の図書館にも入り込みました。暖かいラジエーターがあるからです。とくにお気に入りだったのは、大聖堂の売店です。だって、Louisのための餌が置かれているのですから!
Pangurは司教館にもよく出入りしていました。そこに住むMaisieは、Pangurが門番小屋にある自分の部屋に入り込むのを我慢して慣れなければならなかったようです。Maisieはじっと我慢していたのですが、LouisとPangurは何度か喧嘩をしたこともあったのです。
Pangurの冒険はそれだけでは収まりませんでした。
ときには2、3日も帰ってこないこともありました。そこで会社では首輪に「名前はPangurです。お腹が空かないと家に戻らないので、どうか餌を与えないでください」と書かれた小さなラミネート加工のラベルを貼ったそうです。
ユニークな3匹の猫さんたち。その楽しい思い出は、いまも大聖堂に来る人々に語り継がれています。