
2025年4月3日、第三十八回「四国こんぴら歌舞伎大芝居」の初日を翌日に控えた出演者たちが香川県琴平町で実施した成功祈願とお練りの模様を伝えるレポートが到着した。
「四国こんぴら歌舞伎大芝居」は、天保6(1835)年に建築された現存する日本最古の本格的芝居小屋である旧金毘羅大芝居(金丸座)で、昭和60(1985)年6月の初公演以来愛されている歌舞伎公演。
2025年4月4日(金) の公演初日を翌日に控え、まずは恒例となった金刀比羅宮の御本宮拝殿での成功祈願を実施。厳かな空気のなかで公演の安全と成功を祈り、金刀比羅宮に集まる参拝客からも「頑張って!」と温かな声が聞かれた。

成功祈願が終わると、出演たちが参道の下で人力車に乗り込み、お練りがスタート。満開の桜の下、色とりどりの幟や紙吹雪の中を華やかに進んでいくと、沿道に集まった約2万6千人の観客からは絶えず「観に行きます!」「かっこいい!」といった声がかかる。出演者たちは笑顔で手を振りながら、お練りの終着地である金陵の郷に到着し、続いてはセレモニーに参加。お練りに引き続き熱気あふれるセレモニー会場の様子に、出演者たちも長く地元の人々、そして歌舞伎ファンに愛される「こんぴら歌舞伎」への期待を実感した様子だった。鏡開きの後には振る舞い酒も行われ、初日への弾みをつけた。公演は2025年4月20日(日) まで。

セレモニー 出演者挨拶
■中村萬壽

10年ぶりのお目見え、中村萬壽でございます。10年前のお練りは大雨でございまして、私たちはここでビニール傘を差して挨拶をした思い出がございます。その時も多くのお客様がお見えになりました。
■中村獅童

晴れ男の中村獅童でございます。私は初めての出演です。舞台と客席が非常に近い劇場でございますので、より一層歌舞伎を身近に感じていただければ嬉しく思います。わかりやすい演目が揃っておりますので、ぜひ劇場へお越しください。劇場でお待ちしております。
■中村時蔵

私も父と同じく10年ぶりでございまして、10年ぶりにお練りに参加させていただいて、「こんぴらっていいものだな」と改めて実感いたしました。皆様にいただいた思いを、我々は舞台で力や熱量に変えて演じるのみでございますので、20日の千穐楽まで何卒よろしくお願いいたします。
■中村萬太郎

子どもの頃からずっと出たいと願った金丸座に今回ようやく出演が叶いました。少しでもいいお芝居を皆様にお届けできるよう、1日1日頑張りたいと思います。
■中村陽喜

左より)中村夏幹、中村陽喜
人力車に乗るのも初めてですし、金丸座に出演させていただくことも初めてです。今回は『魚屋宗五郎』と『らくだ』に出演させていただきます。どうぞよろしくお願いします。
■中村夏幹
本日はここに来てくれてありがとうございます。「こんぴら歌舞伎」観に来てください。
■澤村精四郎

私の師匠はこの「こんぴら歌舞伎」を立ち上げましたひとりの澤村藤十郎でございます。その澤村藤十郎が以前名乗っておりました「精四郎」という名をもって、こんぴらに来ることが叶いましたこと、本当に感無量でございます。旦那の思いを継いで、一層こんぴらでも頑張ってまいりたいと思いますので、ぜひご後援のほどよろしくお願いいたします。
■上村吉弥

11年ぶりの出演となりまして、昼夜にわたりまして二役勤めさせていただきます。皆様どうぞよろしくお願いいたします。
■河原崎権十郎

私が「こんぴら歌舞伎」に出演しますのは、前名の坂東正之助を名乗っていた頃以来、25年ぶりになります。
■中村錦之助

今回は小川家、萬屋7人おります。家族劇団とも言っていいぐらいの豊富さですので、皆さん、この仲の良い萬屋のお芝居を堪能してください。
<公演情報>
第三十八回「四国こんぴら歌舞伎大芝居」
【演目】
■第一部
一、『彦山権現誓助剣 毛谷村(ひこさんごんげんちかいのすけだち けやむら) 一幕』
二、『新皿屋敷月雨暈 魚屋宗五郎(しんさらやしきつきのあまがさ さかなやそうごろう) 二幕』
■第二部
一、『蜘蛛の拍子舞(くものひょうしまい) 長唄囃子連中』
二、『眠駱駝物語 らくだ(ねむるがらくだものがたり)』
令和7(2025)年4月4日(金)~20日(日)
会場:香川・旧金毘羅大芝居(金丸座)
チケット情報:
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventCd=2445265(https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b2558514&afid=P66)
詳細はこちら:
https://www.konpirakabuki.jp/schedule/