
2022年4月に東京の世田谷文学館で開幕した、絵本作家でイラストレーターのヨシタケシンスケの個展『ヨシタケシンスケ展かもしれない』。その後、日本全国を巡回して70万人以上を動員した同展が、新たな大型体験展示やオリジナルグッズなどを大幅に加えて東京に帰ってくる。
2013年にデビュー以来、2024年までの約11年間で、ベストセラーとなった『りんごかもしれない』をはじめとして、絵本を30冊、その他の著作やイラストレーションの仕事などを合わせると約100冊を出版してきたヨシタケシンスケ。同展は、その彼が身の回りの出来事を観察して描きとめたスケッチや、絵本の制作過程をたどれるアイデアスケッチや原画などを紹介する展覧会だ。ヨシタケの作品とともに、インスピレーションの源となった愛蔵のコレクションの展示や、大型の立体的な展示によって絵本の世界を体感できる仕掛けが多数取り入れられた会場では、ヨシタケの「頭のなか」を様々な角度からのぞいて見ることができる。

『りんごかもしれない』 ブロンズ新社 2013年 ©Shinsuke Yoshitake
今回の東京会場の見どころは、同会場のみの大型体験展示として、展示室内に大きな森が出現すること。また、これまでの巡回会場では約2,500枚のスケッチの複製が展示されてきたが、今回は過去最大の総数7,500枚以上が一挙に公開される。絵本作家としてデビューする前から日々描きためてきたスケッチの数々は、ヨシタケの果てしない妄想やアイデア、そして世界の見方がつまった貴重な資料となっている。
もちろん同展では、絵本の原画も充実している。巡回展開始以降に刊行された『メメンとモリ』や『ぼくはいったい どこにいるんだ 』など、4冊の絵本の中から厳選したアイデアスケッチや原画が追加され、今回の絵本の原画は総数約170枚に及ぶ。

『ぼくはいったい どこにいるんだ』原画 ©Shinsuke Yoshitake
そのほか、展示の工夫やグッズ、イベントなども、これまでの展示よりもさらに「増量」された。CREATIVE MUSEUM TOKYOの会場を活かした展示を充分に楽しむためにも、時間をたっぷりとって訪れたい。一回では見切れない来場者のために、会期中に何度も来場できる「いつでもたっぷりパスポート」や平日用の「平日たっぷりパスポート」も用意されている。
<開催概要>
『ヨシタケシンスケ展かもしれない たっぷり増量タイプ』
会期:2025年3月20日(木・祝)~2025年6月3日(火) ※会期中無休
会場:CREATIVE MUSEUM TOKYO
時間:10:00~18:00、土日祝は9:00から、金土、5月4日(日・祝)・5日(月・祝)は20:00まで(入場は閉館30分前まで)
料金:一般2,000円、大高1,500円、中小1,000円
※3月20日(木・祝)~23日(日)、5月3日(土・祝)~6日(火・祝)、5月31日(土)、6月1日(日)は日時指定制
公式サイト:
https://yoshitake-ten.exhibit.jp/tokyo/