
7月5日から放送中の『ウルトラマンオメガ』(テレ東系列ほか)。いわずと知れた“ウルトラマンシリーズ”から、期待の最新作が制作されたわけだが、そもそも彼らはなぜ地球人と手を取り合い、この星を救ってくれるのか。今作ではウルトラマン自身がそうして命題に向き合い、その答えを模索する姿を描いた物語に仕上がっているという。
そんな『ウルトラマンオメガ』で、主人公のオオキダ ソラトを演じるのが、俳優の近藤頌利だ。ウルトラマンオメガに変身しながらも前提として記憶喪失で、なおかつ好奇心・食欲旺盛だというキャラクターをどのように表現したのか。作品の見どころはもちろん、観ていて“違和感”を意識したという演技のポイントから、本人が選ぶ“最後の晩餐”まで、近藤とソラトの間にある関係性に迫った。
「僕が抱いていたウルトラマンのイメージそのままでした」

ーー“ウルトラマンシリーズ”の主役抜擢ともなると、情報解禁と同時に祝福の声が相次いだのではないでしょうか。
近藤頌利(以下、近藤) 幼馴染をはじめ、同級生から普段はなかなか会えない友人まで、みんな本当に応援をしてくれましたね。僕の世代的に、子どもたちの親になっている友人も多いので「家で一緒に観るね!」なんて言ってくれて、すごくうれしかった。幼馴染の子どもなんて、もともとウルトラマン好きとあってか、放送前なのにもうオメガの決めポーズを真似してくれているらしいです。こうしたヒーロー作品だからこそ、味わわせてもらえる感覚ですよね。
ーーご自身も幼少期、『ウルトラマン』シリーズとともに育ったとのことですが、世代的にウルトラマンティガあたりでしょうか。
近藤 まさしくティガです。本当にカッコよかった。母親に当時、おもちゃの人形を買ってもらったのですが、たしかティガダークだったかな。いまの子どもたちと同じで、あの頃の僕も変身ポーズの練習をしていた気がするし、主題歌はいま聴いても全然覚えていましたね。
ーーそうした懐かしい記憶が、収録中にふと蘇ってくることも?
近藤 それこそソラトは変身時、空に向けて「オメガスラッガー」を掲げていて、このアイテムが棒状で、しかもパカッと開くんです。変身モーションがティガともかなり似ているので、懐かしさを感じつつ、まさしく僕が抱いていたウルトラマンのイメージそのままだなと。だから「このアイテムでよかった」と愛着を抱いていますし、本当にお気に入りなんですよね。

ーー反対に、撮影を通してよい意味でギャップがあったことはありますか。
近藤 それが、意外とないんですよ(笑)。ただ、変身シーンの撮影だけは別。想像していたよりも大変で、「オメガスラッガー」をカメラの想定位置からずらさないのは言わずもがな。画のなかに綺麗に収めなきゃならないので、本当に「3ミリだけ右!」とかの指示が出る世界。そのあたりも含めて、こうした作品ならではだなと実感しました。
ーーおそらく「3ミリだけ右」が、アイテムが最もカッコよく映る位置なのでしょうね。
近藤 そうそう。「オメガスラッガー」は左右対称のアイテムなので、掲げる位置が肝になります!
ーーそれではウルトラマンオメガのデザインで、特に好きな部分は?
近藤 えっ、もう全部好き!(笑) デザインを拝見した当初、顔が赤いことが個人的に意外すぎたものの、撮影するうちに大好きになりました。みなさんが話題にしない部分だと、注目ポイントは背中ですね。本編でもあまり映ることこそないものの、正面の胸と同じく、実はデザインがとても凝っているところなので、ぜひ意識してみてください!
「個人的な見どころは腕の筋肉(笑)」

ーー先ほどお話があった「オメガスラッガー」を初めて握ったときのこと、まだ覚えていますか?
近藤 もちろん。それこそ第1話の撮影時には、初めての変身シーンということもあってか、たくさんの大人が現場に集まって緊張感がありました。プレッシャーに押されぬよう、自宅でも現場でも練習を繰り返したりして。僕のために、スタッフさんが段ボールを使って、お手製の「オメガスラッガー」を本物と同じ大きさで作ってくださったんです。もうボロボロですけど、まだ自宅にありますよ。
ーーもはや一生、捨てられない記念品になりそうです。第1話冒頭には、フル3DCGによる戦闘シーンも用意されていました。
近藤 すごく気合いが入った映像でしたよね! あのシーンだけは撮影に入らず、戦闘シーンの声を収録で初めて確認したんです。めちゃめちゃ驚いたんだよな~。
ーーアフレコの際にこだわっていることは?
近藤 僕の場合だと、オメガと同じ動きをすること。つまり、一緒に闘いながら声を当てるようにしています。
ーーそうした方法は、歴代の先輩などから教わるのでしょうか。
近藤 いえ、完全に独学です。そもそも『ウルトラマン』シリーズでも、俳優本人がアフレコをすること自体が珍しいらしく、僕なりに考えてから臨みました。

ーー改めて、第1話を視聴しての感想を聞かせてください。
近藤 良い意味で客観的には評価できないです。なによりもまず、無事に放送開始を迎えられるところまで来てほっとしましたし、なにより撮影自体は昨年の暑い頃から行っていて、物語の行く末を知っているので。ネタバレ防止の意味でも語れません(笑)。ひとつあるとすれば、オメガが変身解除するシーンで、光の粒子がソラトの身体にふわぁ~っと収まっていく瞬間を観たときは、それはもう感動しました。自分自身がようやくウルトラマンになれたことを証明されたような気がして、すごく感慨深くなっちゃいましたね。
ーーたしかに、とても印象に残る演出でした。
近藤 あと、個人的な見どころは腕の筋肉(笑)。「オメガスラッガー」を掲げたときの腕、観ましたか?
ーー普段から筋トレを欠かさない方の腕だと思いました。
近藤 それが、撮影期間中はほとんどトレーニングをしていなかったです。単純に毎日がものすごく忙しかったし、クランクインが夏のシーズンだったので、体力をなるべく強化しておこうと思って。筋肉を維持する目的で、日常的に動かしてはいましたが、それでもあの腕は我ながら見事だった。まったく意識していなかったのに「あれ、腕がめっちゃ綺麗なんだけど?」って自画自賛しちゃうくらい。
「自分の強みは色々な人になれること」

ーー個人的な話ですが、私は観ていてソラトよりもむしろ、バディを務めるホシミ コウセイ(演:吉田晴登)の方に感情移入をしてしまいまして。なんでしょう、それぞれが与えられた場所や役割で頑張ることにグッときた、とでもいいますか。
近藤 わかります。コウセイは普通の人間で、僕が演じるのは超人。観る人の年齢が上がるほど、彼の目線に近づくんだと思います。なのでひとつの観方として、お子さんはソラト目線、保護者の方々はコウセイ目線から、ふたりの関係性の変化を頼んでもらえればうれしいですね。
ーーなるほど。ソラトとコウセイが初めて対面するシーンで、ソラトは興味を惹かれて手に持ったものを、片っ端から床に落としていましたよね? あれは宇宙から来たゆえの、つまりは”無重力”を描く意図があったのでしょうか。
近藤 ソラトが“片付ける”ことを知らないからです。“もとの位置”という概念を、そもそも持ち合わせていない。だから「これはもういいや」と思ったら手を離して、次の行動に移っちゃう。あの時点で、視聴者の方々に「この人は宇宙人なんだ」という違和感を抱いてもらいたくて、自分なりの表現に落とし込みました。

ーーご自身のアイデアが特に活きた部分も?
近藤 ラジカセを鷲掴みにしたのがまさに。監督から「あれを持って」という指示こそあったのですが、ラジカセってハンドルがあるじゃないですか。そこでなにも考えずにハンドルから握りにいくと、それはもう“ラジカセを知っている側”に見えてしまう。だから、鷲掴みにしました。幸運にも、大きさのわりに僕がそうできたので、握力やパワーの側面でも宇宙人っぽさを出せたんじゃないかな?
ーーやはり、近藤さんの演技は“腕”も見どころのひとつなのですね。ちなみに本作を抜きに、ご自身の俳優としての強みを聞かれたとき、どのように答えていますか。
近藤 色々な役になれること。あくまで役は役だと考えているので、明るい人にでも暗い人にでもなれますし、自分自身が役柄に引っ張られたり、よい意味で憑依されることも特にないです。
ーーでは、性格的にソラトと似ていると感じた部分は?
近藤 好奇心旺盛なところ。気になるところがあれば、すぐに出かけるタイプです!
「結局のところ、ソラトはコウセイが作った焼きそばがいちばん好き」

ーー役柄のお話続きで、ソラトは記憶喪失の側面を抱えています。こうした役柄を過去にも演じた経験は?
近藤 記憶喪失レベルではないですが、記憶をなくす役はありました。とはいえ、僕はどんな役でもイチから向き合うようにしているので、過去の経験が活きることも、それを活かすこともあえてしないようにしていて。やっぱり、人って誰しも全然違うじゃないですか。それぞれの役を演じていった結果、どこかで似てくる部分が見つかることはあっても、「あのときがこうだったから、今回もこうしよう」とせず、ドラマや映画の画を作るように心がけています。
ーーソラトを演じるにあたり、特に意識した部分も教えてください。
近藤 先ほども少しお話した“違和感”かな。特に序盤は、意図的にそれを持たせるように演技を続けていました。逆にいえば、なにも考えず素直に気持ちよく演じられるものでもないので、その点だけが少し大変だったかな。
ーー“違和感”って、意図的に表現できるものなのですか?
近藤 ……。
ーーあっ、失礼しました。変な質問でしたよね。
近藤 ……(固まった顔でこちらを見つめてくる)いま、違和感……感じませんでしたか?
ーーなるほど、そういうことでしたか。
近藤 相手への返答をわざと遅くしたり、気持ち悪いくらいにずっと顔を見つめたり。「えっ、これどういうことなんだろう?」と思わせるのが違和感だと思ってまして。実際、ソラトの場合は言われたことが本当に理解できていないし、理解するのにも時間がかかる。そこから自分のなかにある言葉を整理する、ひとつ答えるだけでもかなり段階を踏む必要があるので、そうした順番に慣れることにだけ僕自身も時間が必要でした。この違和感がわざとらしくなりすぎないよう、程度感にはしっかりとこだわりきれた気がします。

ーーありがとうございます。私も緊張してしまいましたので、真面目な話はこのあたりにして、近藤さんが考えるソラトの好物を教えてください。闘いを終えるたび、消費エネルギーによって猛烈な空腹を覚えるソラト。第1話では、コウセイのお手製焼きそばを盗み食いしていましたが……。
近藤 結局のところ、ソラトはコウセイが作った焼きそばがいちばん好きなんだと思っていますよ(笑)。
ーーなんと!
近藤 あくまで僕の感覚ですが、やっぱり人間の世界に降り立って、最初に食べたのがコウセイの焼きそばだったので。ソラト本人も「これがいちばん好き」と明言こそしていませんし、2話以降でもバナナ、カレー、ロコモコ丼……と、色々なおいしい食べ物に出会うわけですが、最後はやっぱりコウセイが作る焼きそばなんだと思います。
ーーこの流れで、近藤さんの好物も教えてください(笑)。
近藤 関西人なので、焼きそばはもちろん(笑)。お肉やお寿司も好きだし、ソラトよりもお金がかかるのは間違いないです。
ーーでは、最後の晩餐を選ぶならば?
近藤 難しいなぁ! 祖母が作るきんぴらごぼうとか、吉野家の牛丼とか……。う~ん、でもマクドナルドのビッグマックかな。というか、いま食べたい。だって、めっちゃおいしいから(笑)。

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撮影/米玉利朋子、取材・文/一条皓太