
オフィス3〇〇特別公演『少女仮面』が、2025年6月11日(水) から22日(日) に東京・ザ・スズナリで上演される。
1969年、鈴木忠志が主宰する早稲田小劇場に書き下ろされた、唐十郎の傑作戯曲『少女仮面』。
2024年5月にこの世を去った唐。アングラ演劇の巨星とも名高い唐と渡辺は、ともに演劇界でもがき、苦しみ、喜び、演じ、そして世の中に多くの名作を生み出してきた。今回、唐十郎追悼公演と銘打ち、渡辺はもちろん、大鶴佐助、土屋佑壱、吉田裕貴、福本雄樹、新内多賀太夫、宮下浩行、黒島結菜・夢乃・鈴木楓加(トリプルキャスト)、川村毅といった個性豊かなキャストが揃い、新たに『少女仮面』を創り上げる。
渡辺は42年前、パルコ劇場プロデュースで好評を博した『少女仮面』で、宝塚の伝説の男役スター・春日野八千代役を演じた。当時は唐、美術家の朝倉摂、そして李礼仙らの助言を受けながら無我夢中で演じていたというが、70歳の今年、多大な影響を受けた唐の追悼公演とも重ねながら、自己の原点を探り、子どものころから目指してきた平和への祈りと、永遠の舞台への夢のため上演する運びとなった。小室等作曲の劇中歌が、三味線、チェロ、バイオリンの生演奏で披露されるほか、春日野があこがれた甘粕大尉の役を、唐の世界を熟知した演劇仲間が日替わりで演じるのも古稀公演ならではの見どころとなる。
チケットの先行受付は2025年4月20日(日) まで。
【あらすじ】
東京都内と思われる地下喫茶、その名も「肉体」。
戦前から今日まで、その名を思い出す度に現れると言っていいその謎の喫茶店を経営しているのはなんと宝塚の伝説の男役スター春日野八千代だった。春日野は「嵐が丘」のヒースリック役の稽古を繰り返しながら相手役キャサリンの登場を待ちわびている。
肉体の介在しない形無き欲望、永遠の愛の対象となりえる永遠の処女を待ちわびているのだ。
春日野は自称16歳の少女緑ヶ丘貝に永遠の処女キャサリンの役を振り、未完成だった作品が完成されるかに見えた。しかし、東京大空襲で家族を失った保険の外交員の妄想や、恋に溺れ愛を乞い愛を失い精神に異常をきたした本番前の腹話術師の自問自答の濃密な時間とが重なり、春日野自身の秘密の過去があばかれ、地下鉄工事のブルトーザーが記憶の「肉体」を破壊していく。第二次世界大戦の爆撃音と近未来への発展のための解体の騒音が重なり、「肉体」と「精神」が炸裂する物語。
宝塚の華麗なるステージにあこがれて地下の「肉体」に降りた少女たちの運命は? そして春日野の運命は? 腹話術師たちの未来は? ボーイたちは? 狂おしい「愛」「舞台の夢」の奴隷となった登場人物たちの今は?
<公演情報>
『少女仮面』
作:唐十郎
演出:渡辺えり
出演:渡辺えり 大鶴佐助 土屋佑壱 吉田裕貴 福本雄樹 新内多賀太夫 宮下浩行 黒島結菜/夢乃/鈴木楓加(トリプルキャスト) 川村毅
春可直子 小見美幸 山田華子 椎木美月 岩崎環 佐藤舞希子
※甘粕大尉役は日替わりゲスト陣を予定
2025年6月11日(水)~22日(日)
会場:東京・ザ・スズナリ
■プレイガイド先行:2025年4月20日(日) 23:59まで
https://w.pia.jp/t/office300/(https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b2558751&afid=P66)
公式サイト:
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