加藤シゲアキ「チケット代以上の価値がある」 パルコ・プロデュース2025「エドモン〜『シラノ・ド・ベルジュラック』を書いた男〜」開幕
パルコ・プロデュース2025「エドモン〜『シラノ・ド・ベルジュラック』を書いた男〜」開幕前会見より、左から)瀧七海、安蘭けい、加藤シゲアキ、村田雄浩、マキノノゾミ(演出)

パルコ・プロデュース2025「エドモン~『シラノ・ド・ベルジュラック』を書いた男~」が2025年4月7日から東京・PARCO劇場で開幕。初日を前にした7日、同劇場で開幕前会見が行われ、出演する加藤シゲアキ、村田雄浩、瀧七海、安蘭けい、演出のマキノノゾミが出席。

また、舞台冒頭から20分程度を報道陣に向けて披露した。



17世紀に実在した大きな鼻の剣豪詩人の恋物語『シラノ・ド・ベルジュラック』は、1897年にフランス・パリで初演され、世界で最も上演されている戯曲と言われている。本作は、そんな『シラノ・ド・ベルジュラック』の誕生秘話を、フランスの若手劇作家・演出家のアレクシス・ミシャリクがドタバタ幕内コメディ仕立てに描き、2016年にパリで初演された。日本では23年に新国立劇場にて、マキノが演出、加藤主演で初演。総勢12名の俳優が約50役を演じ分けるというのも大きな見どころとなる作品だが、今回は会場をPARCO劇場に移し、新キャストが加わっての再演となる。



加藤シゲアキ「チケット代以上の価値がある」 パルコ・プロデュース2025「エドモン〜『シラノ・ド・ベルジュラック』を書いた男〜」開幕

パルコ・プロデュース2025「エドモン~『シラノ・ド・ベルジュラック』プレスコールより
加藤シゲアキ「チケット代以上の価値がある」 パルコ・プロデュース2025「エドモン〜『シラノ・ド・ベルジュラック』を書いた男〜」開幕

パルコ・プロデュース2025「エドモン~『シラノ・ド・ベルジュラック』プレスコールより
加藤シゲアキ「チケット代以上の価値がある」 パルコ・プロデュース2025「エドモン〜『シラノ・ド・ベルジュラック』を書いた男〜」開幕

パルコ・プロデュース2025「エドモン~『シラノ・ド・ベルジュラック』プレスコールより
加藤シゲアキ「チケット代以上の価値がある」 パルコ・プロデュース2025「エドモン〜『シラノ・ド・ベルジュラック』を書いた男〜」開幕

パルコ・プロデュース2025「エドモン~『シラノ・ド・ベルジュラック』プレスコールより
加藤シゲアキ「チケット代以上の価値がある」 パルコ・プロデュース2025「エドモン〜『シラノ・ド・ベルジュラック』を書いた男〜」開幕

パルコ・プロデュース2025「エドモン~『シラノ・ド・ベルジュラック』プレスコールより

初演に続き、“書けない”劇作家エドモン・ロスタン役で主演を務める加藤シゲアキは「(初演時も)内容さながらのドタバタのカンパニーだったので、あのドタバタをまたやるのかという楽しさと不安が同時に押し寄せています。このドタバタと勢いが逆に面白くお客さんに伝わるのではないかなと楽しみになってきています」と初日を迎える心境を話す。



加藤シゲアキ「チケット代以上の価値がある」 パルコ・プロデュース2025「エドモン〜『シラノ・ド・ベルジュラック』を書いた男〜」開幕

加藤シゲアキ

2作連続で直木賞にノミネートされるなど、作家としての活動も注目される加藤。エドモンのように書けないときはどうするのかと記者に問われると、「僕は書けないことがないんでね!......と言いたいですけど、僕は自分のペースで書けていけるから」とコメント。本作の稽古中にも執筆をしていたことを明かし、「書けないというより時間がないです。だからどう乗り越えるかと言われれば、やるしかないです」。



加藤原作で2021年に舞台化された『染、色』では初めて戯曲にも挑戦したが、今後新たに戯曲を書く予定を問われ、「自分が書いたセリフをキャストが言ってくれる面白さなど、小説とは違う楽しさがいっぱいありました」と振り返りつつ、「でもエドモンのように、キャストからセリフを増やせとか減らせとか言われたらどうしよう(笑)。

いつかまた書きたいとは思うんですけどね」と話していた。



加藤シゲアキ「チケット代以上の価値がある」 パルコ・プロデュース2025「エドモン〜『シラノ・ド・ベルジュラック』を書いた男〜」開幕

安蘭けい

訳アリわがまま大女優マリア・ルゴー役の安蘭も初演からの続投。
安蘭は「新しいメンバーが加わって、前回よりもパワーアップして、前回より必ず笑いが多いと思います。分厚い作品になっている気がする」と手応えを話し、「前回はコロナ禍で、どこかお客様と演者との間に壁があったんですけど、ぜひお客様にも笑いで、拍手で、参加していただきたい」と呼びかけた。



加藤シゲアキ「チケット代以上の価値がある」 パルコ・プロデュース2025「エドモン〜『シラノ・ド・ベルジュラック』を書いた男〜」開幕

村田雄浩

有名喜劇俳優のコクラン役を演じる村田は、再演からの参加。顔合わせのときに「マキノさんと加藤くんに『地獄へようこそ』と言われました」と切り出し、「確かにすごい台本だなと思って。映画の台本なのではと思うぐらい、テンポが早いし、シーンがぽんぽん進んでいく。これがちゃんと出来たら面白いんだろうなと思うんですが......(役者にとっては)地獄です」と苦笑い。ただ、「これがマキノさんの思い通りにうまくハマったら、めちゃくちゃ面白いと思うので、ぜひいろいろな人に見ていただきたい」と期待を込めた。



加藤シゲアキ「チケット代以上の価値がある」 パルコ・プロデュース2025「エドモン〜『シラノ・ド・ベルジュラック』を書いた男〜」開幕

瀧七海

衣裳係ジャンヌ役の瀧は、今回が初舞台となるが、「稽古前はお芝居や転換できちんと動けるか不安でいっぱいでしたが、稽古期間、役と向き合ってきた時間があるので、それが自信につながっています。本番は皆さんと思い切り楽しみたいです」と堂々とした挨拶をしていた。



観客へのメッセージとして、加藤は「劇作家が無茶ぶりされてドタバタするコメディですが、きっと劇作家のみならず、多くの方がいろんな上司やら先輩やら会社やらからの無茶ぶりの日々だと思います。

この舞台に来れば、そうした憂さ晴らしも少しできるし、きっと励みにもなるんじゃないかな」と話す。その上で「こんなに苦労している人たちがいるんだと、キャスト12人を見ながら、少し優越感でも感じてもらえれば。初演を観てくださった方もいらっしゃると思うんですけど、間違いなくそれ以上のパワーが出ていると思います。チケット代以上の価値があると断言しますので、そこはどうぞ観に来ていただけると嬉しいです」と語り、会見を締め括った。



東京公演は4月30日(水)まで。大阪公演は5月9日(金)・10日(土)、東大阪市文化創造館Dream House大ホール。福岡公演は5月17日(土)・18日(日)、福岡市民ホール大ホール。愛知公演は5月24日(土)、豊田市民文化会館大ホール。



取材・文・撮影:五月女菜穂




<公演情報>
パルコ・プロデュース2025
「エドモン~『シラノ・ド・ベルジュラック』を書いた男~」



作:アレクシス・ミシャリク
演出:マキノノゾミ

出演:
加藤シゲアキ
村田雄浩 瀧七海 細田善彦
福田転球 三上市朗 土屋佑壱 枝元萌 佐藤みゆき 阿岐之将一
堀部圭亮 安蘭けい

【東京公演】
日程:2025年4月7日(月)~4月30日(水)
会場:PARCO劇場

【大阪公演】
日程:2025年5月9日(金)・10日(土)
会場:東大阪市文化創造館Dream House大ホール

【福岡公演】
日程:5月17日(土)・18日(日)
会場:福岡市民ホール 大ホール

【愛知公演】
日程:5月24日(土)
会場:豊田市民文化会館 大ホール



チケット情報:
https://w.pia.jp/t/edmond2025/(https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b2557224&afid=P66)



公式サイト:
https://stage.parco.jp/program/edmond2025/

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