ガイ・リッチーが描く骨太の戦争映画『コヴェナント/約束の救出』
イラストレーション:高松啓二

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【水先案内人 高松啓二のおススメ】



2018年、アフガニスタンでタリバンの武器を捜索する米軍ジョン・キンリー曹長は、アフガン人のアーメッドを通訳として雇うが……。



70年代のヒット曲『名前のない馬』から始まり、ベトナム戦争時代の混沌とした戦況を匂わせる。敵もタリバン兵なので敵か一般人か区別しにくく全編に重苦しい緊張感が走る。アーメッドはぶっきらぼうで反抗的だが、キンリーが撃たれると彼を100キロもの荒野を引きずって敵中突破する。タリバンからの追撃の脱出劇はサスペンスたっぷりで手に汗握る。後半、帰国したキンリーはPTSDに悩ませられながらアフガニスタンに残ったアーメッドのため、再びアフガニスタンに戻り、自力で救出する。



監督はスタイリッシュな感覚が特徴のガイ・リッチー。

今作では正攻法の演出で骨太の戦争映画に仕上っている。ラストに同じような米軍とアフガン人通訳の写真(一部顔が隠されている)が映され、現在進行形であるという監督の熱意が伝わる。



<作品情報>
『コヴェナント/約束の救出』



2月23日(金・祝) 公開



監督・脚本・製作:ガイ・リッチー
出演:ジェイク・ギレンホール、ダール・サリム、アントニー・スター、アレクサンダー・ルドウィグ、ボビー・スコフィールド、エミリー・ビーチャム、ジョニー・リー・ミラー



公式サイト:
https://www.grtc-movie.jp/



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