
バンクレコードのまくりで激戦を制した山口拳矢
■ヒーロー
バンクレコードの捲りで優勝をさらった。前受けの岸田剛|村上博幸が赤板前先行。山口はスタートで位置を主張して3番手で続く。人気の犬伏が打鐘で4番手からダッシュしホーム手前で叩いた後、村上が犬伏に続いてきた伊藤旭をブロックに行って落車。犬伏を岸田ー伊藤が追って、山口はその後ろに付けた。
「村上さんがバランスを崩したのが見えたので避けられた。脚は使わずに(4番手に)付けました」となかなかいい展開だった。こうなれば勝負強さを発揮する。冷静にタイミングを計って最終2角から前団に襲いかかり、「前の伊藤君に合わされなけば犬伏さんを捉えられると思った」。自信をもって踏み続け、最終4角過ぎに犬伏をかわした。叩き出した上がりタイムはそれまでのバンクレコードを0秒1更新する8秒8。
6月のGⅠ高松宮記念杯は二次予選で敗退し、前回のGⅡサマーナイトフェスティバルは初日特選で失格。悪い流れが続いていたが、この優勝で変わりそうだ。「最近、自力に自信がなかった。オールスター前に自力で勝てたのは大きいです。オールスターは強い気持ちで仕掛けていきたい」と、中部のスピードスターは目をぎらつかせた。