【ボートレース宮島・PGⅠヤングダービー】兄2人に託された思い、Vで結実の前田滉 喜ぶ兄2人の姿に「泣きそうなぐらいうれしかった」
 30歳未満の若手男女が世代ナンバーワンを目指して争った、宮島ボートのプレミアムGⅠ「第12回ヤングダービー」(優勝賞金1300万円)は最終日の28日、12Rで優勝戦を行い、GⅠ初優出だった5号艇の前田滉(25)=愛知・123期・A1=が3周目まで続いた先頭争いを制して優勝。今年3回目、通算では11回目のVを挙げた。
2番手で続いた井上忠政が3周2Mを旋回後に妨害失格を宣告され、1号艇の新開航、6号艇の中村日向が2、3着に繰り上がった。3連単は1万4130円(44番人気)。6日間の売上額は76億793万7600円で目標額(75億円)をクリアした。


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GⅠ初Vを喜ぶ前田滉



■ヒーロー

 兄弟の団結力がここに結実。兄の篤哉、翔との3兄弟で大会に参戦していた前田滉が、大激戦の首位争いをものにしてGⅠ初V。「お前に託したと言われていたので、2人の思いも背負って走りました」

 大会史上かつてない3周にわたる大熱戦の末の優勝。「熱戦過ぎたので思わず出ちゃいました」というガッツポーズで喜びを爆発させてピットに帰還すると、見つけたのは出迎えた兄2人が喜ぶ姿。「泣きそうなぐらいうれしかった」。3兄弟で感激に浸った。

 予選前半は競り負けるレースもあって3、4、3着と中間着を並べ、目立つ存在では全くなかった。それが予選終盤に向かって機力の向上を果たした。

 「前半は苦しんだので、こんなにエンジンが良くなってくれるとは…。
100点満点の一節だったと思います」。少しずつ蓄えてきた調整力をフルに発揮できたことを高く自己評価した。

 優勝によって出来過ぎたストーリーも実現。この日、表彰式のプレゼンターで来場していたのは、同じ前田姓でボートレースのCMに出演中の前田旺志郎。「縁があるなぁと思っていた。向こうも喜んでくれて良かったです」。冗談のような結末を現実にしてしまうあたりに、義父の山崎智也さん(引退)のようなスター性がのぞいた。

 この優勝で賞金順位は41位まで浮上。さらに上の舞台へと視線は移る。「SGで結果を出せるようになりたい。グランプリシリーズも出たいですね」。SGデビューは現実的。
まだまだ前田家の先頭を走り続ける。(深堀慎一郎)

■優勝した前田滉のプロフィル



■獲得賞金ランキング



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【ボートレース宮島・PGⅠヤングダービー】兄2人に託された思い、Vで結実の前田滉 喜ぶ兄2人の姿に「泣きそうなぐらいうれしかった」

GⅠ初Vを達成し、兄の翔(左)と篤哉(右)の祝福を受ける前田滉(中央)
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